2021年7月19日月曜日

環境の変化で行動を改善する

 ABA(えーびーえー、Applied Behavior Analysis、応用行動分析学)の考え方は、個人の「心」を問題にすることでなく、個人の「行動」を問題するものである。行動と環境の関係がどうなっているかを明らかにする。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第21回目である。

【引用はじめ】

 心のなかをなんとかしようとしてもうまくいかなかったことを、まったく違うアプローチから解決することが、ABA(応用行動分析学)のもっとも得意とすることです。

 ABAの対象は、他人だけではなく、自分自身のセルフマネジメントにも使えます。いままで、行動できないのを自分の性格や意思の弱さを原因として、うまくいかなかったケースでも、ABA的アプローチで環境を変化させることによって劇的に改善するケースも多く見られます。

 ここでいう「環境」とは、地球や自然というような環境ではなく、また、職場のきれいさとか、温度が適切だとかの環境ではありません。その人のまわりに起きる出来事や、どのような状態にいるかといった意味の「環境」です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.39~p.40

【引用終わり】

 「心」というのは目に見えずあくまでも概念的に言語表現するものだ。抽象的であいまいである。反対に「行動」は具体的で目に見える。「心」という深層にあるとする仮説では、「行動」というものを特定するのは難しい。

 それより、目に見える「行動」はどういう環境で出現するかを観察するほうが、分かりやすい。このような観点で明らかにしようとするのがABA(応用行動分析学)である。 

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