2021年7月11日日曜日

研修の場と実際の職場では環境要因が異なる

 だらしない性格を変えようと、研修の場に出す。そこで行われる内容については、なんとかやり遂げる。そうすると、だらしなくなったと思い込む。しかし、そうしたことって長続きするものだろうか。 

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第13回目である。

【引用はじめ】

 遅刻ばっかりする「だらしない性格」をなんとかしようと、精神を鍛えるというような厳しい研修や、意識改革を起こすための研修などに、救いを求めていくことがあります。たとえば、駅前で名刺を配らせたり、人前で大声で過去の黒歴史を語らせたり。

 しかし、実際には内面的なものは、問題行動の原因ではありません

 研修の場では、いろいろな環境要因が実際の職場とは異なるため、望ましい行動が起きるようになってきます(強制的に行動せざるを得ないとも言えそうです)。すると、行動事実の改善が見られるので、内面を表現する言葉も変わってきます。

  • 研修では毎日遅刻せず、提出物もすべて期限を守れた ⇒ だらしなくなった

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.24~p.25

【引用終わり】

 研修においては、しっかりしたことができるようになった。とても頑張った。心を入れ替えて、見違えるようになった。そうしたことは確かに可能である。一時的に研修という場で行われることには、うまく適応できたのだ。

 しかし、今度は日常の職場に戻ってそれがうまくいけばいいのだが、研修で実施されたこととは異なる要因が職場にはいっぱいある。結局、元の木阿弥になるケースが多いのだ。 

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