私たちは、心理テストなどによって、性格をタイプ分けしてそれをとても重視する傾向がある。金科玉条のように性格を決めるものだと思ってしまう。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第17回目である。
【引用はじめ】
人は他人に「レッテル」を貼ることがとても大好きです。
社員に関する適性検査でも、同じようにタイプ分けをすることがあります。そして、結果が出ると、それがその人にレッテルとして貼られます。
- パーソナリティは「受け身型」
- 感情タイプは「冷静」「慎重」タイプ
そして、このようなタイプの人には、こう接したほうがいいとか、このような職種が向いている、などとアドバイスされたりします。
しかし、気をつけなければいけないのは、この性格診断はあくまでも選択肢にある項目のなかから回答を選んだという、行動の結果だということです。
そして、その選んだ回答項目からの傾向を指し示すものであって、行動の原因そのものであるとして、決して次のようにとらえてはいけないのです。
- 「受け身型」だから、指示をしないと動かない人だ
- 「冷静タイプ」だから、忙しくても取り乱されないはずだ
これでは、「循環論」に陥ってしまって、その先の改善にはつながらなくなってしまいます。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.28
【引用終わり】
心理テストや適性検査も、その人の傾向を見る上では参考になるものである。しかし、そうだからといってそれが全てというわけでない。
個別の行動を改善するには、状況を適切に変えることでその人の行動の変容も可能である。心理テストの性格が消極型となっているから、積極的な行動なんて無理と決めつけるのは問題だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿