問題行動に対して、その原因を個人の内面とするか、逆に環境とするかで改善のアプローチも異なってくる。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第24回目である。
【引用はじめ】
授業中に、男の子が動き回る原因をどう見るかで、その後の改善のアプローチも当然変わってきます。
個人に原因がある、と見ると、「その個人を何とかしよう」という解決方法になっていきます。個人に対して、ふざけないように注意したり、内面を改善しようとしていくことになります。
一方、環境に原因がある、と見ると、「その環境を何とかしよう」という解決方法になります。行動を引き起こしているまわりの環境は何か、それは、走り出すとまわりが注目してくれたり、嫌な授業が中断したりするからではないか、という見方になってくるのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.42~p.43d(
【引用終わり】
問題行動の改善には、個人の「心」を何とかしようするやり方が行われる。しかし、その「心」というものはとらえどころがなく曖昧なものである。目に見えるものでない。明確に対応できないのだ。それでは、問題行動の改善は難しくなる。
まずは、行動事実がどうなっているのか、そのときの環境はどうかをとらえることによって、環境のあり方を変えてみるほうがいい。どんな環境であれば、問題行動の改善につながるか試みるのである。
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