ABAマネジメントを手順にしたがって進めたにしても、うまくいくとは限らない。そうだからといって、こんなのやっても無駄と思って、やめないでほしい。うまくいかなかったら、次の試みをする。一回でうまくいくとは限らない。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第82回目である。
【引用はじめ】
ABA(応用行動分析学)マネジメントで進める手順における改善策は、あくまでも仮説です。
ですから、その策が正解で、これをやれば大丈夫! とは決めつけないようにしましょう。「やってみないとわからない」のです。
この、「やってみないとわからない」という前提を忘れてしまうと、「改善策を実施したのにうまくいかない。やっぱり、うちの部下はもともと向いていなかったんだ」などと、うまくいかない原因を個人の内面にもっていってしまうことになりがちです。人の見えない内面を原因にすると、その場はとても楽ですからね。
しかし、これでは再び思考停止に陥り、現実的な改善にはつながりません。前提として、「可能性が高い改善策」から試している、という感覚をもって、本当にうまくいくのかどうかを、見極めながら進めていきましょう。
うまくいかなかったら、この改善策ではなかったのだ、ということで、次に進めばよいのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.93
【引用終わり】
ABAマネジメントだって、魔法の杖ではない。簡単に改善策が見出せるという幻想は持たないことである。職場内で問題となるからには、それなりに複雑なはず。まずはABAマネジメントの手順どおりやってみることだ。これはあくまでも思考実験なのだから、仮説にすぎない。
そして、実際やってみて、うまくいくかどうかやってみなければわからない。こうすることで、問題が鮮明になり、改善策に近づくはず。
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