研修の場では、「あいさつする」ことがうまくいくようになった。しかし、職場においては、「あいさつする」ことがうまくいかない。研修の場と職場においては、対応に違いがあるため、うまく「般化」しなかったためといえる。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第66回目である。
【引用はじめ】
同じ人間であっても、あの人の前だとうまくできるのに、この人の前だとうまくできない、というように般化ならずに区別されてしまうことも起きます。研修ではうまくできるのに、職場ではダメ、というのも同じです。
ABC分析で、研修の場について分析してみましょう。
A=先行条件「研修講師・研修仲間」➡B=行動「あいさつする」➡C=結果「講師が褒める・なかまが褒める」 (好子出現による強化)
職場でのABC分析では次のようになります。
A=先行条件「職場の上司・職場の同僚」➡B=行動「あいさつする」➡C結果「反応なし・嫌な顔をされる」 (好子消失による弱化・嫌子出現による弱化)
研修ではうまくいくのに、職場ではパフォーマンスを発揮できないパターンでは、このように行動の前後のAもBもCも大きく異なるケースが見受けられます。研修の場と、本来の職場では、その環境の違いが与える影響が大きいわけです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.78
【引用終わり】
「あいさつする」ことが、研修の場ではできるようになっても、職場などではできなくなってしまう。
ABC分析すると、Cの「結果」が違うからである。研修の場では、講師や研修仲間があいさつしたら褒めてくれる。しかし、職場に戻ると、上司や同僚はあいさつするなんて当たり前といった態度で、反応してくれなかったりする。また、面倒くさがる態度を示したりする。これでは、「あいさつする」ことが強化されない。
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