手間がかかり、面倒くさいなどがあると、積極的な行動はしないのが普通である。つまり、行動コストがかかるということだ。簡単な行動だったらやってしまう。逆に難しかったらやらないということである。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第67回目である。
【引用はじめ】
お菓子が袋から開かれた状態で、お皿の上に置いてあり、お菓子を食べるためには、「ワンアクション」でたどり着けます。非常に行動のコストが少なくて済んでしまいます。ちょっとつまみ食いし放置状態なわけです。
逆に、お菓子は事務所の奥のほうにある食器棚の一番上の扉付きの棚に、蓋のついた缶の中に入れてしまっています。このときは、私のつまみ食いという不適切な行動は引き起こされにくい。
お菓子を食べるまでに、たくさんの行動をしないとたどり着けない、つまり行動コストが大きいからです。一般的な言い方をすれば、「面倒くさいから」です。
なかなかやろうと思ってもできていない、望ましい行動があれば、そこに至るまでに、どれだけの行動コストがかかっているのか。逆に、不適切なのに、ついついやってしまう行動があるのであれば、おなじくどれくらいの行動コストでたどり着いてしまっているのか。望ましい行動には、できるだけ行動コストを減らし、不適切な行動には、できるだけ増やすような環境の設定していきましょう。
意思の力よりも、はるかに現実的な改善につながります。
「行動コストとは、行動にたくさんのコストがかかると行動せず、少ないコストだと行動する」ことです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.79~p.80
【引用終わり】
お菓子が目の前にあればついつい手を出して食べてしまう。しかし、それが遠くにあるようだったら直ぐ手を出すようなことはないだろう。
行動するのに手間がかかることはあまりしたがらないのは当然である。行動もコストしだいということだ。
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