「プロンプト不足」で適切な行動ができない新入社員がいる。それを新入社員の努力不足と個人攻撃しがちだ。適切な「プロンプト」によって新入社員も力を発揮できる。上司もそのことを理解すべきだ。
しかし、逆に「プロンプト依存」という問題も考慮しておく必要がある。本来は、プロンプトがなくなってもできるようにすることが最終目標なのだか、いつまでも「プロンプト依存」が続いている状態のことである。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第63回目である。
【引用はじめ】
「プロンプト依存」という問題も存在します。
本来、プロンプトというのは、慣れてきたら、それがなくても正しい行動ができるものです。何回か来たことのある駅なら案内板がなくてもたどりつけますし、使い慣れてくれば、手順書がなくても操作できるようになるのです。
しかし、いつまで経っても、プロンプトに頼ってしまって、適切な行動が身につかないとしたら、これもやはり問題です。
最初はプロンプトを提示し、徐々に減らして、いずれプロンプトがなくてもできるようにする―これが、上司の部下育成の腕の見せ所なわけです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.76
【引用終わり】
いつまでも、プロンプトに頼り過ぎているのも考えものだ。プロンプトというのは、まだ十分適切な行動が身についていないので、プロンプトすることで、適切な行動を引き出すためのやり方なのである。
だんだんとそうした行動ができるになってきたら、徐々にプロンプトをなくしてゆく。そして、最終的にはプロンプトなしでも行動が適切に行われるようにするわけだ。「プロンプト依存」を脱するようにすることが大事である。
0 件のコメント:
コメントを投稿