2021年11月10日水曜日

人材育成は中長期的な取り組み

  上司からの部下に対するきっかけ(プロンプト)は徐々にフェードアウトしていくと、時には部下の適切な行動が出現しなくなる場合もある。そうなったら、また再び行動を促すきっかけ(プロンプト)が必要です。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第130回目である。

【引用はじめ】

 上司の部下に対する自発的行動を促すためのきっかけ(プロンプト)を減らしていくと、上司から促さないと部下は言わなくなってしまうこともあります。

 その際には、しばらくしてから「最近、提案がないけど、どう?」というように、聞いてあげましょう。再度きっかけを提示するわけです。

 そして、提案が出てきたら、いままで以上に大きな好子を提示するようにします。「おお、なるほど! やっぱりAさんの案はいいよ! 提案してくれないともったいないなあ」

 このように、様子を見ながらも、指示はフェードアウトできるように減らしていく必要があります。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.144

【引用おわり】

 「自律型社員」を容易に育成できるわけではない。

 きっかけ(プロンプト)を徐々に減らし、適切な行動に対して、うまく好子を提示することが必要だ。

 こうしたことについても、部下に合わせたやり方でなければならない。みな一様にやっても難しい。中長期の取り組みにより、上司も試行錯誤を繰り返してより良い工夫をすることである。

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