連続強化は、適切な行動ができるようにするには大事である。ただ、それをずっと続けることは得策でないし、簡単にできることでもない。徐々に部分強化に移行するのがいい。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第133回目である。
【引用はじめ】
連続強化に比べて部分強化のほうが、行動は継続します。それまで当り前に必ず出ていたものが出なくなると、諦めも早くなるということです。
たとえば、次のようなことです。
【連続強化からの消去】→ 消去しやすい「ボールペンのインクが出ていた→出なくなった→使わなくなる」
【部分強化からの消去】→ 消去しにくい「ボールペンのインクが出たり出なかったり→今日は出なくなった→もう少し粘って使う」
このように、よい結果「C:好子」が、当たり前のように毎回出ているときは、出なくなったら、もう終わりというように消去されやすくなります。
一方、もともと出たり出なかったりの経験をしていると、いまは出ないけれども「次こそは」とか「もっと出れば出るかも・・・」と行動はより継続するのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.148~p.149
【引用おわり】
部分強化は、連続強化よりも行動を消去しにくい。この原理を応用して適切な行動を定着させるといい。いろんな場合に応用できるのだ。
部下が仕事の改善に対する提案をしてきたら、上司が褒める。もちろん、はじめは提案するたびに褒める。ある程度定着できたら、次は2回に1回、4回に1回と徐々に褒める回数を減らしていくのである。そうすることで、自発的に提案行動を定着できるようにするのだ。
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