2021年11月13日土曜日

連続強化より部分強化のほうが消去しにくい

 連続強化は、適切な行動ができるようにするには大事である。ただ、それをずっと続けることは得策でないし、簡単にできることでもない。徐々に部分強化に移行するのがいい。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第133回目である。

【引用はじめ】

 連続強化に比べて部分強化のほうが、行動は継続します。それまで当り前に必ず出ていたものが出なくなると、諦めも早くなるということです。

 たとえば、次のようなことです。

 【連続強化からの消去】→ 消去しやすい「ボールペンのインクが出ていた→出なくなった→使わなくなる」

 【部分強化からの消去】→ 消去しにくい「ボールペンのインクが出たり出なかったり→今日は出なくなった→もう少し粘って使う」

 このように、よい結果「C:好子」が、当たり前のように毎回出ているときは、出なくなったら、もう終わりというように消去されやすくなります。

 一方、もともと出たり出なかったりの経験をしていると、いまは出ないけれども「次こそは」とか「もっと出れば出るかも・・・」と行動はより継続するのです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.148~p.149

【引用おわり】

 部分強化は、連続強化よりも行動を消去しにくい。この原理を応用して適切な行動を定着させるといい。いろんな場合に応用できるのだ。

 部下が仕事の改善に対する提案をしてきたら、上司が褒める。もちろん、はじめは提案するたびに褒める。ある程度定着できたら、次は2回に1回、4回に1回と徐々に褒める回数を減らしていくのである。そうすることで、自発的に提案行動を定着できるようにするのだ。 

0 件のコメント:

コメントを投稿