私たちは、周囲の環境いかんで行動のあり方が変わってくる。「おはよう」の挨拶を積極的にするようになる子は、周りの大人が「おはよう」とちゃんと返してくれる環境があったからである。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第149回目である。
【引用はじめ】
「強化履歴」とは、その人が生まれてきてからいままで、どのようなことに強化されてきたか、という歴史のことです。人は数限りない行動の強化を積み重ねて生きています。そして、「強化されることは、その後もより強化されやすい」という現象があります。
たとえば、小さいころに、近所の大人に対し「こんにちは!」と大きな声であいさつをした子どもKくんがいました。
「こんにちは。おりこうさんだね」と、近所の大人は声を返しました。この返事が好子となって、行動が強化されます。
Kくんはあいさつをたくさんするようになり、「積極的」で「元気な子」とまわりから言われて、育っていきました。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.179
【引用おわり】
小さい頃から「おはよう」の挨拶をして、近所の大人が「おはよう」と言ってくれる。そして、「えらいねえ」などと褒められる。そうした経験を繰り返している。
「おはよう」という行動が強化される経験を何度も繰り返している。そうなれば、近所の人たちは、あの子は「いい子で、明るく元気だ」となる。
これが、強化履歴が良かったということだ。
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