2021年11月14日日曜日

行動を習慣化させる

 自律的な社員を育てるには、上司の対応が重要になる。改善の余地がある事柄について、部下からの提案を引き出す。その提案があったら、上司はすかさず褒める。そういったことによって、部下の自発的な提案といった行動を促す。それが繰り返されるようになれば、自律した社員といえる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第134回目である。

【引用はじめ】

 部分強化は、人材育成が得意な上司は、自然にできたりします。

 毎回褒めるわけではないけれど、そろそろかな、というタイミングや、同じ行動でも、より質の高い行動であったときに、間髪入れずに褒める。すると、部下は、やっぱり見てくれていたんだ、頑張ってやった甲斐があった、と次の行動への動機づけになるのです。アメの使いどころです。

 褒める、というよい結果は、いきなりまったくなくしてしまうと、せっかく強化していた「提案する」という行動をしなくなってしまいます。徐々に、毎回ではなく、たまには褒めないときをつくってみましょう。

 ここで、頑張って提案してきたら、いままで以上に大きな承認で褒めてあげる。少しずつ減らしていくことで、消去抵抗が強くなってくるわけです。

 しかし、まったく褒めることをしなくなると、いつの日か行動は消去されていきます。「たまのアメ」は、必ず出せるようにしておきましょう。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.149

【引用おわり】

 部下が指示待ちで何か言わないとできない。そんな嘆きが上司からきかれるとしたら、それは部下に責任を負わせても問題解決にはつながらない。上司の部下への対応を見直す必要がある。

 部下が少しでも能動的な行動をしたら、上司はそれを見逃さず強化するのだ。その繰り返しが部下の行動に変化をもたらすことになる。部下の変容にも上司はうまく対応していくのだ。そのことが部下の成長を助けることになる。 

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