2021年11月16日火曜日

一つの望ましい行動が身につくと、他の行動も強化していく

 「自律型社員」って、自発的で能動的な行動のさまざま身につかないとダメかというとそうでもない。自発的な「提案」行動などが定着した社員は、他の望ましい行動もできるようになってくる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第136回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」ができるといわれる行動の特性は、提案だけではなく、もっとたくさんあります。例えば、次のとおりです。

 【自ら考える】 もっとよい仕事のやり方を、自ら提案する。 どうしたらお客様にもっと喜んでもらえるか、案を出す。

 【自ら判断する】 次の仕事は何をやるべきかを決めて、まわりに伝える。 お客様から質問を受けたときに、的確に回答する。

 【自ら行動する】 指示が出る前に、仕事を始める。 会議では、必ず意見をいう。

 これらがすべてできるようになれば、「自律型社員」になれないかというとそうではありません。

 人には、「般化」という、素晴らしい行動の特性が備わっているのです。「提案する」などの「成功体験」をして、消去抵抗の強い行動の強化が身についている社員は、「提案」という行動だけにとどまらず、別の行動でも似たようなことが起きるようになってきます。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.150~p.152

【引用おわり】

 今までできなかった能動的な望ましい行動を定着させることが、まず大事だ。それによって、これにつながる望ましい行動も身につくようになるから不思議である。これが、「般化」という行動特性である。望ましい行動の中核といえる内容をしっかり定着させることをめざすことである。 

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