仕事に改善の余地があれば、部下に対して上司は行動を促すようなきっかけをつくってやるのがといい。部下にはそのきっかけによって行動が引き出される。しかし、その行動に対して、上司がどのような結果をもたらすかが問題である。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第127回目である。
【引用はじめ】
「何か提案はない?」とB上司が指示したら、Aさんは、「データ化はどうでしょうか?」と提案しました。
しかし、そこでB上司は、「何言っている? そんなのわかっているよ」とか、「いまいち、レベル低いな」などというフィードバックをしてしまうことがあるのです。
「嫌子出現による弱化」ですね。
これでは、Aさんの「提案する」という行動は、どんどんやらなくなってしまいます。「提案」したら、嫌なことが起きるからです。
そのうち、「B部長の考えることが一番です! 私なんてまだまだです」などといっていれば、嫌な結果をもらわなくてすむようになったりします。
これでは、Aさんは、次第に「提案する」という行動をしなくなりそうです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.141
【引用おわり】
上司が部下に対して、「何かいい案ない?」などとたずねて、それに対して部下が「問題となることを記録とったらどうですか」などと応える。
それに上司が「そんなことわかっているよ」などと否定的な対応すれば、次には部下も消極的になってしまう。上司の「嫌子出現による弱化」では、部下による提案は減少することだろう。
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