何らかのきっかけによって、適切な行動が促される。そのきっかけは、相手の行動を引き出す手がかりであり、プロンプトとなるものである。プロンプトがあれば、相手の行動を引き出すことができる。プロンプトの工夫はとても大事である。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第128回目である。
【引用はじめ】
部下に対して、上司による「何か改善点はないか?」という指示は、「プロンプト」といわれるものです。
適切な行動を引き出す、補助的なきっかけであり、そのうちこれがなくても、適切な行動ができるようになってきます。
- 慣れない駅で、最初は案内板(プロンプト)を見ないとホームにたどり着けなかったのが、そのうち見ないで行けるようになった。
- 手拍子(プロンプト)がないとリズムが取れなかったのが、そのうち手拍子がなくてもリズムを取れるようになった。
- 説明書(プロンプト)がないと操作できなかった機械が、いまでは何も見ずに操作できるようになった。
これらとまったく同じ機能で、最初は声がけ(プロンプト)されないと提案しなかったのが、そのうちなくてもできるようになります。
人により、早い・遅いの差はありますが、少しずつ指示のしかたを変え、提示を減らし、自分から提案してくるようになるまで、もっていくことです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.142
【引用おわり】
プロンプトは相手の行動を引き出す手がかりとなる。そのプロンプトをだんだんと減らしても、相手の行動を繰り返すことができる。そうなれば、プロンプトなしでもできるようにすればよい。
はじめはプロンプトを毎回提示することで行動が促されていたのが、プロンプトを減らしても行動ができるようになってくる。そして、最終的にはプロンプトなしでも適切な行動ができるようにするのである。
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