問題がある相手に対して、より良い行動をするようにこちら側はさまざま働きかけをする。強化や弱化などによって行動を変えようとすることは、手間がかかる。うまくいけばいいが、うまくいかないことだってある。そうなると、どうなるか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第181回目となる。
【引用はじめ】
相手への働きかけにおいては、無視しても構わなければ無視する(消去する)のが最も「簡単」なのです。
「簡単」というのは、「コストがかからない」ということです。
強化も弱化も、自分が相手に何かをすることで相手の行動を変えてゆきます。つまり、変える側の皆さんにしてみれば、そこに手間(時間やエネルギー)がかかってしまいます。手間を費やせば、疲れます。疲れるということは嫌なことですから、変えようとする行動に対して弱化が働くことになりかねません。
「彼を変えようとしても疲れるだけだから、やめよう」と思ってしまうかもしれません。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.185
【引用おわり】
相手に対して、消去する対応はあまり手間のかからないやり方である。しかし、強化や弱化などは手間がかかる。消去ではうまくいかなければ、強化や弱化の方策をとらざるを得ない。それだって簡単なわけではない。強化や弱化によって、相手の行動を変えるには手間をかけなければできないことも多い。途中挫折しまうこともあり得る。相手の行動を変えなければならないといった切実感があってこそ、強化や弱化などが続くのである。
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