課長にとって、部下の仕事をどの程度手伝うかは単純な話ではない。部下を育てるという観点ではいえば、部下に多くを任せることは当然である。何をどれぐらい手伝うかという話である。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第175回目となる。
【引用はじめ】
課長が部下の仕事を手伝わないということについて考えましょう。
これは、部下からの不満として出ていたものですが、しかし、これについては少し考えるべきかもしれません。
部下の仕事を課長がどれだけ手伝うべきかというのは、実は微妙な問題です。多少の苦労はあっても本人が完遂したほうが本人の成長にもつながるし、達成感も大きいという見方もあるからです。
課長に意見を聞いてみると、やはり「部下のために、あえて任せている」とのことでした。その意図が部下に伝わっていないことが、ここではむしろ問題と言えそうです。ただ、課長に問題がないかと言えば、そうとも言えません。部下に仕事を任せるのはいいとしても、途中経過を確認することもしなければ、アドバイスすることもしないのです。手伝うことはやりすぎかもしれませんが、状況を把握し助言を与え、必要なときにはアクションを起こすことは、やはり支援として必要なことなのです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.179~p.180
【引用おわり】
課長は、部下の仕事ぶりを影で支えることが重要である。部下がどのぐらい仕事を進めているか報告させたりすることが大事となる。また、その時々で問題になっていることがあれば、それに関する適切な助言などを与え、部下自ら解決できるようにすることである。そうすれば、部下にとっても仕事がスムーズに進めることができ、課長に対する信頼も増すことになる。互いにとって、強化される関係を築けることになるのだ。
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