2022年9月6日火曜日

なぜ決断しないのか

 管理職がなかなか「決断しない」ことで困っている。なぜ、決断しないのか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第171回目となる。

【引用はじめ】

 「決断しないという問題」について考えましょう。

 これは、決断するという行動が消去または弱化されていると考えられます。特にこの場合は、部下から「決めてください」と行動を促されているにもかかわらず、しないのですから、相当に強い弱化が働いていると考えられます。もし決断すると、そこには責任が生まれます。何かをやろうと決めたなら、それを最後までやりぬかなければなりません。つまり、決断の直後に負担感が生じます。

 特に課長として決めたことは、課員に対する責任も発生することになります。課員が苦労していたら助けなければなりませんし、もし失敗したら、課員からも部長からも責められます。そして課長が代表として何らかの責任をとることになるかもしれません。

 こうした可能性が、決断するという行動を弱化されているのです。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.175~p.176

【引用おわり】

 管理職にとって、「決断すること」は相当の負担になっている。この決断がもし誤っていたら、責任問題になりかねない。こうなると、決断ができないままで、先送りされてしまう。このままいくと、ますます問題を複雑にしてしまい、さらに決断ができにくくなってしまう。こうした悪循環にも陥りかねないのである。

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