管理職の中には、部下のことをあまり褒めない人がいる。なぜこうした行動をしてしまうのか。褒める行動が強化されず、消去や弱化されているからと考えられる。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第172回目となる。
【引用はじめ】
部下を褒めないというのはなぜでしょう。
部下を褒めるという行動が消去または弱化されているのです。次のようなことがあるからです。
「褒められたくて仕事をするようではプロとは言えない」「褒められても、部下はちっとも嬉しそうな話をしない」「褒めてみたら、『自分がやるしかないでしょう』と、課長である自分の頼りなさを皮肉られた」
褒められて嬉しいからがんばることは、人を動かす真実であり馬鹿にするようなことではありません。また、褒めても部下が嬉しそうな顔をせず無表情ままであったら、褒めるという行動は消去されます。褒めても皮肉が返ってくるようでは、褒める行動は弱化されます。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.176~p.177
【引用おわり】
部下を褒める必要ないと、管理職は考えている。褒められることを期待するなんて甘いという考えだ。仕事は厳しいものだ。その厳しさを乗り越えてこそ、プロなんだと思っている。そうした管理職だから、部下はたまの褒め言葉にはお世辞ぐらいの受け止めで、いい顔をしない。管理職に対して、部下から皮肉の一言が出たりする。管理職からの褒め言葉は消去や弱化されてしまっているのだ。
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