部下のことを気にかけて、仕事の状況を把握しようとする管理者はいる。部下の仕事のことを知ることで、組織の動きも把握することができるという理由からである。それ相応の行動をするのは、適切な行動が意図せずに強化されているのである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第462 回目となる。
【引用はじめ】
- 世の中には、何か特別な強化を受けなくても部下の仕事をきちんと把握している管理者はいます。
- ですが彼らも、何の強化もなければ行動を維持することはできないはずです。
- それでは彼らは、何によって、部下の仕事を把握する(より具体的には、部下に仕事の状況を尋ねる)という行動が強化されているのでしょうか。
- 部下に仕事の状況を尋ねれば、自分の組織が円滑に動いているかどうかが、「分からない」から「分かる」へと変化します。
- この変化が心地よいために、管理者は部下の仕事を把握しようとします。
- ですが、部下のことを褒めない課長は今まで、そうしたことをしなくても平気でした。
- 自組織の状況が分かることは、もしかするとこの課長には何の意味もないのかもしれません。
- 分かったところで、「だから何なの?」という感じかもしれません。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.197~p.198
【引用おわり】
部下を褒めることをしない課長にとって、組織の状況把握に関心がないといった問題があるのかもしれない。これでは、組織の問題を明確に捉えることもできない可能性がある。こうした課長は、組織改革のブレーキにもなりかねない。
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