ここの例で出てくる課長は部長に対して、反対や批判を言う。課長なりの理由がある。フラストレーションの解消になる。部長に負けず劣らずの能力があることを確認もできる。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第435回目となる。
【引用はじめ】
- 課長が上司である部長の発言に反対や批判ばかりするというのはどうしてでしょう。
- これは実際にこのようなことが起きた場を観察していて分かったことですが、この課長は部長に反対意見を述べたり批判的なことを言ったりすると、少しすっきりした自慢げな顔になります。
- それについて、課長は次のように言っています。
- 「部長の話を聞いていると、納得しかねるところがたいてい出てくる。それを黙って聞いていると、フラストレーションがたまってくる。そこで我慢できずに反対や批判を言ってしまうと、フラストレーションが解消される」
- 「部長の話には、穴がたいていある。そこを指摘することで、自分が部長と同等以上の能力があると感じることができる」
- この課長はまじめで頭が良いのに、このような方向に使ってしまっている。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.180~p.181
【引用おわり】
課長の批判によって、部長の話の問題を明らかにすることができる。それが、課長の部長に対する批判を強化しているのである。
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