中田さんが部下とのスムーズなコミュニケーションを図ろうと、介入パッケージの第五段階まで行おうとしている。それが「標的行動の記録」である。そのことについて、島宗リーダー本による第44回目の引用である。
【引用はじめ】
行動の実行を支援する方法を介入と呼びます。いくつかの方法をあわせて実施するときには介入パッケージと呼ぶこともあります。次のような介入パッケージを実施することがあります。人見知りだと思い悩んでいる中田さんの事例では、次のような介入パッケージが導入されました。
- 誰が何をしているのかを見える化する
- 誰がどこにいるのかを見える化する
- 標的行動を練習する
- 標的行動を工夫する
- 標的行動を記録し、見える化する
- 標的行動を強化する
そのうち、中田さんにとって、1番目の「誰が何をしているか」そして、次に、2番目の「誰がどこにいるか」、3番目の「標的行動を練習」して、4番目には「標的行動の工夫」、今度は5番目の「標的行動の記録」です。その具体的内容が次のとおりです。
中田さんが実際に下の階に降りて部下と話をした回数を毎日記録しました。そして、それを表計算ソフトで入力して折れ線グラフを作り、毎日更新しました。標的行動を測定し、介入の効果を視覚化して確認することは、ポジティブな行動マネジメントの要の一つです。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.32~p.33 )
【引用おわり】
中田さんは、部下と話をどれぐらいすることができたかを、記録してグラフ化した。中田さんの人見知りで部下と話すこともなかなかできなかった行動が変化していることを明確にしたのである。介入パッケージの導入で行動が変化するのが分かる。すごいことである。
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