あの部下は「自主性」が足りない、「創造性」に問題があるなどと心理学の罠にはまったままでは、個人攻撃に終始しがちで、問題解決にはならない。その解決を図る上で役立つのがビデオクリップ法である。まず、4段階あるうちの第1段階は、どんな性格や能力を問題になっているかを明らかにするのである。その内容について、島宗リーダー本による第59回目の引用である。
【引用はじめ】
心理学の罠から抜け出すには、「○○性」や「○○力」と評価されている元の行動を探します。このとき有効なのがビデオクリップ法による課題分析です。これは、行動とその前後の出来事について、具体的にイメージし、記述していく方法です。手順は以下のようになります。
- 性格や能力を示す言葉から始める
- 実在する人物を選ぶ
- 行動を思い浮かべる
- 評価を分ける鍵となる行動を見つけ、書き出す
1の「性格や能力を示す言葉から始める」というのは、次のようなことだ。
取っかかりは「○○性」や「○○力」といったもので構いません。部下に期待すること1つ選んでみましょう。「あいつ、○○性が低すぎるんだよ」などといった。日頃から個人攻撃の罠に陥りがちな基準があるなら、そこから始めてみるのも一手です。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.40~p.41 )
【引用おわり】
一人の部下は自主性が不足している、創造力に欠けるといった問題を、何とかしなければならない。こうした抽象的な言葉でいいから、問題となるべきことを明確に取り出すことから始める。それがビデオクリップ法の第1段階ですべきことである。
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