中田さんにとって、大事なことは、部下との話をするといっても、業績向上につながる仕事の話を部下一人ひとりすることだ。世間話ばかりすることではない。そこが、中田さんにはゆずれない行動であった。その内容について、島宗リーダー本による第49回目の引用である。
【引用はじめ】
もし、中田さんが世間話ばかりするようになったら、部下の仕事を無駄に中断してしまいかねません。部下に迷惑になるからと話しかけるのをひかえていた中田さんにとって、これは譲れないところでした。
中田さんが部下と世間話できるようになっても、部下を育てることにも、チームを強くすることにもつながりませんから、これは妥当な判断だったと考えられます。
人見知りな性格だという本人の主張に目を奪われて、部下からの印象を良くするためだけに、いつでもどこでも笑顔で挨拶することを練習していたとしても、このような成功を得られていなかったでしょう。「誰のどの行動を変えるのか」という、行動変容の核心点を見つけ、標的行動を決めるステップは、それだけ重要なのです。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.35 )
【引用おわり】
中田さんは人見知りで、部下との話をすることがうまくできないと思い込んでいる。そうした性格であっても、会社においては部下と仕事の話をすることで、業績を伸ばす必要がある。部下と仕事の話ができるようにすればいいのである。中田さんがやるべきことは、部下と仕事の話ができることである。この行動変容の核心点である標的行動を、介入パッケージによって達成することなのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿