2023年11月21日火曜日

島宗リーダー本57「行動と原因の取り違えが心理学の罠の正体」

 あの人は「自主性」があっていい。それは、きっと、仕事に率先して取り組む人だ。「創造力」がある人と言われれば、新しいことを生み出すことが得意な人となる。しかし、「自主性」や「想像力」が原因で、ある種の行動が生み出されるわけでない。行動が先にあって、それをまとめて説明するための言葉が「自主性」や「創造力」などの性格や能力である。その内容について、島宗リーダー本による第57回目の引用である。

【引用はじめ】

 性格は行動の原因ではありません。そう思い込むのは、よくある誤解です。「自主性」があるから、会議で積極的に発言したり、自ら率先して部下の指導にあたるわけではありません。会議で積極的に発言したり、自ら率先して部下の指導をする人を「自主性がある」とみなしているのです。

 能力についても同じことが言えます。「創造力」があるから、他の人がなかなか思いつかないことを思いついたり、作れないものを作るわけではありません。そのような人を「想像力がある」と評価しているのです。

 心理学の罠の正体は、行動と原因のこのような取り違えにあります。

(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.39 )

【引用おわり】

 性格にしても、能力にしても、具体的な行動をまとめて表現する概念にしか過ぎない。行動がどのようなものかを要約した言葉である。性格や能力を使って行動を説明しても、行動を変えることにはならない。行動の原因を性格や能力に求めても、役立たないということである。 

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