おしぼり提供会社へのクレームは、おしぼりに髪の毛が混入していたことより、汚れやシミがついていたことだった。問題の本質を見極めることができていなかった。そうした内容について、島宗リーダー本による第202回目の引用である。
【引用はじめ】
おしぼり提供会社の業績につながる行動として焦点化すべきだったのは、取引先の顧客やスタッフがおしぼりを台拭き代わりに使う行動(減らすべき行動)と、工場ではスタッフが汚れやシミのついたおしぼりを選り分ける行動(増やす行動)だったのです。
記録は以前からありました。おしぼり1つが廃棄されるまでに何回再利用できたかを示す指標です。これはこの業界では標準的に記録されているものだったのですが、記録されているだけでマネジメントには使われていなかったのです。
さっそく、この数値を改善するためにチームをつくり、行動目標を設定し(例 : 取引先におしぼりの使い方についてお願いしたり、案内を配布したり、おしぼりの劣化を取引先ごとに集計して、その結果をマネージャーに報告するなど)、チームで行動目標の達成を確認しました。
すると、新しい介入を始めた次の月から指標が改善されました。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.112~p.113)
【引用おわり】
何が問題か分かっていなかった。おしぼりに髪の毛が混入することが問題だと思い込んでいた。そこで、ユニフォームの着用を義務化したが十分クレームを減らすことには貢献しなかった。それより、おしぼりの汚れが問題だったのだ。問題の焦点化ができていなかったのである。問題を把握することで、改善につながる介入を行うことができたのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿