2024年9月2日月曜日

島宗リーダー本339「随伴性を調べてみた」

 販売予測の精度が低く、会社の業績が伸びない。それをなんとかしたい。問題のなんたるかは分かっている。しかし、それがうまく実行できない。そうした内容について、島宗リーダー本による第339回目の引用である。

【引用はじめ】

 欧州全域でトップシェアを誇る家庭用品メーカーB社は、売上予測の精度が低く、在庫が増えたり、欠品が続いたりしています。製造部からの再三のクレームと役員からの要請により、営業部ではコンサルティング会社を雇い、大々的なキャンペーンを始めました。キャンペーンでは、1) 販売予測の立て方を見直し、2) 精度に関する目標を設定し、3) 正確に見積もりを立てるための説明会や研修会をあちこちで開催しました。ところが見積もりの精度は低いままです。

 そこで、ポジィティブな行動マネジメントが得意なコンサルティング会社が営業現場に入り、営業担当者に聞き取り調査をしたり行動観察をするうちに、彼らは販売予測を正確に立てなくてはならない理由もわかっていて、方法も理解し訓練も受けていたのに、実行だけができていないことがわかりました。

 さらに、随伴性を調べると、望ましい行動を弱化され、望ましくない行動は強化される随伴性が見つかりました。営業会議における上司や、上司に合意する同僚の行動が、販売予測をデータにもとづいて客観的に見積る行動を妨害していたのです。

(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.175)

【引用おわり】

 会社の業績を伸ばすにはどうすればよいかある程度分かっている。しかし、それを伸ばそうとする随伴性に問題あることが明らかになった。上司や同僚などが客観的データを素直に受け取ってないのである。こうした問題への対応が必要なのだ。 

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