2019年10月11日金曜日

施設コンフリクトの克服

 専門の支援者を育てる話の41回目。
 支援者として「豊かな人間性」を支える専門スキルを培うには、「施設コンフリクト」への考え方を克服できるようにしなければならない。

 そのことに関して、川村隆彦氏(2006年)は次のように主張する。

 【引用はじめ】

 施設コンフリクトとは、知的障害者などの施設を新たに建設しようとするとき、それに対して、住民たちが真っ向から反対することで起こる人権摩擦である。
 施設コンフリクトが起こると、建設計画が中断、あるいは断念される。
 そしてそこで暮らそうとする障害者の人権が侵害される。
 住民たちが反対する理由の多くは、障害者に対する「不安感」があげられるが、その根底には、障害者とふれあった経験がないことから生まれる強い偏見がある。 
   
 (川村隆彦著「支援者が成長するための50の原則」p.197、2006年、中央法規出版刊)

 【引用おわり】

 障害者差別解消法は平成25年に制定された。
 共生社会の実現に向けた第一歩である。
 しかし、法律ができたからといって障害者施設が地域に完全に受け入れるようになっているか。
 根底では障害者の受け入れがなかなかなされないこともよく耳にする。
 そこには、障害者に対する根強い差別や偏見があるためだ。
 そのため、障害者理解を積極的に働きかける支援者の力が必要となる。
 地域に出かけ、地域に貢献し、地域との協力を図ることである。


 

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