2019年10月8日火曜日

支援の終結

 専門の支援者を育てる話の38回目。
 「豊かな人間性」を支える専門スキルとして「支援の終結」も大事にしなければならない。

 そのことに関して、川村隆彦氏(2006年)は次のように主張する。

 【引用はじめ】

 終結とは、これまでの支援の関係を終えることである。
 しかしこれは単なる終わりではない。
 これまでの道程を振り返り、ともに過ごしてきた時間が、かけがえのないものであることを分かち合う大切な瞬間である。

 大切な関係が終わるとき、だれであっても複雑な感情を抱く。
 まして相手の存在が大きければ、それだけ「別れ」に伴う失望や不安も大きい。
 同時に、「別れ」は、「次の始り」を意味するため、期待や希望の感情も存在する。
 こうした利用者の感情をしっかりと受け止める力が、終結をより価値のあるものとする。     
  
 (川村隆彦著「支援者が成長するための50の原則」p.161・p.162、2006年、中央法規出版刊)

 【引用おわり】

 支援の終結は、誰にもいつかは来る。
 どんな形であれ支援のあり方をふり返り、最後に「ああ良かったなあ」と言えるようなものでありたい。
 支援者も利用者も、その時笑顔になるか涙になるか、今までの関係が出てくる。
 お互い「いい関係だった」と思えたらすばらしい。
 

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