リーダーの行動は、組織の業績に大きく影響する。
私たちは、抽象的でりっぱな言葉で企業目標を立てがちだ。
さらに、研修によって学んだことで一時的満足を得がちである。
それによって、リーダーや職員の行動が適切に増えたり、減ったりすることはほとんどない。
そのことに関して、島宗理氏は、「心理学の罠や研修の罠」と称して、次のように述べる。
島宗理氏のリーダー論からの第12回目の紹介である。
【引用はじめ】
標的行動の候補を洗い出す行動化ですが、この最初のステップでつまずく原因の一つが心理学の罠です。
「自主性」とか「想像力」とか「判断力」といった、抽象的な言葉を駆使することに満足してしまう。
これでは、どのような行動を増やし、どのような行動を減らせばいいのかわからない。
最悪、会社案内に掲載するようなお題目で終わってしまいます。
お題目としては立派な企業理念や経営目標が、世の中にいかに多いのか。
また、知識や感動による行動の変化は一時的なものでしかない。
それにも関わらず、感動や"目からウロコが落ちる"ことを期待して、研修会に出かけていく人が絶えません。
もちろん、常に新しいことを学ぶ姿勢は大切です。
でも、目からウロコが落ちても行動は変わりません。
これを「研修の罠」と言います。
知識や感動はそれだけでは業績に結びつきません。
それらをきっかけに行動変容まで引き起こす仕組みが必要です。
(島宗理著「リーダーのための行動分析学入門」p.38・p.39、2015年、日本実業出版社刊)
【引用おわり】
私たちは、「積極性」とか「自主性」とか「思いやり」などの抽象的な言葉で物事を解釈して、何とかしようとする。
さらに、研修や本などにより知識を得て、うまくいくように思う。
ところが、そうしたことだけでは、何も変わらず嫌悪感さえ味わうことになる。
だからこそ、変えるべきことを行動化し、その中から標的行動を焦点化するのである。
そして、焦点化した行動を変容する仕組みを工夫しなければならない。
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