職員が期待通りに働いてくれない。そうしたとき、その原因をどこに求めるか。
舞田氏はやる気がないなどの「医学モデル」で説明することが多いと、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第6回目である。
【引用はじめ】
部下が期待通りの仕事をしないとき、その原因はどこにあると考えるだろうか?
やる気がない、能力が低い、意識が低い、向上心がない、意欲がない、スキル不足。
もっともな説明だ。
しかし、このように説明することは、「医学モデル」と呼ばれている。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.14、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
「医学モデル」というのは、原因をやる気などの心の中にあるとするのである。
心の中に原因があって、行動の問題が起きると考える。
病気が体の中に原因があって、症状が現れるとする医学的な考え方と一致する。
行動の問題を「医学モデル」でとらえると、循環論に陥り、本当の原因が見つけられない。
やる気がないから働かない。働かないのはやる気がないからだとなってしまう。結局は、働かない原因を見出すことができないのだ。
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