2019年12月21日土曜日

やる気がないの説明は医学モデル

 職員が期待通りに働いてくれない。そうしたとき、その原因をどこに求めるか。
 
 舞田氏はやる気がないなどの「医学モデル」で説明することが多いと、次のように指摘する。  
 舞田氏による著書の紹介は第6回目である。

 【引用はじめ】

 部下が期待通りの仕事をしないとき、その原因はどこにあると考えるだろうか?
 やる気がない、能力が低い、意識が低い、向上心がない、意欲がない、スキル不足。
 もっともな説明だ。
 しかし、このように説明することは、「医学モデル」と呼ばれている。
 
  (舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.14、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「医学モデル」というのは、原因をやる気などの心の中にあるとするのである。
 心の中に原因があって、行動の問題が起きると考える。
 病気が体の中に原因があって、症状が現れるとする医学的な考え方と一致する。
 行動の問題を「医学モデル」でとらえると、循環論に陥り、本当の原因が見つけられない。
 やる気がないから働かない。働かないのはやる気がないからだとなってしまう。結局は、働かない原因を見出すことができないのだ。

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