医学モデル(行動の原因は心の中にあるとする行動観)によって、行動の問題を考えるデメリットは何か。それは、「循環論」になることと、「個人攻撃の罠」にはまって、問題解決を遠ざけてしまうことだ。
そこで、舞田氏は「個人攻撃になってしまう」について、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第11回目である。
【引用はじめ】
医学モデルでとらえる行動の問題の二つ目は、他人のことにせよ、自分のことにせよ、行動を心や性格で説明しようとすると、結局最後は個人攻撃になって、肝心の問題が解決しないからである。
「あいつはやる気がないから」「私は意志が弱いから」と言うのは、単なる批判や自己弁護である。
心理的な問題に関しては、この種の評価をするだけで終わるケースが多いが、そう言ったところで、問題解決にはつながらない。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.16、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
行動の問題を心や性格の問題として説明しやすい。
やる気ないとか、意志弱いとか言いがちだ。やる気を持てとか、意志を強く持てと言ってもどうすればよいかわからない。相手を批判しているだけで、解決につながらない。迷いが深まるだけである。個人攻撃をしているに過ぎない。
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