行動の原因を心の中や性格と考えないとしたら、どのように考えればいいか。
循環論にならないようにするにはどうするか。
そこで、舞田氏は「行動の原因は行動の直後にある」と、次のように述べる。
舞田氏による著書の紹介は第12回目である。
【引用はじめ】
人はなぜ仕事するのかー自己実現のため? 給料のため? 昇進のため? 行動分析学の立場からは、そのどれでもない。行動は、直後の結果によって制御される。この「直後」とは、まさに、"直後"であるほど効果的だ。行動分析学では、行動してから60秒以内に起こらない結果は、ほとんど意味がないと考えている。仕事をしてから60秒以内に自己実現できたり、給料がもらえたり、昇進するなどということは現実にはありえない。したがって、自己実現や、給料、昇進は、人々がしごとをすることを動機づけるような直接の原因にはなりえないのである。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.16~p.17、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
行動の原因は直後の結果しだい。それも60秒以内の結果。
それによって、行動の頻度が増えたり、減ったりするというのだ。
うーん、どうも信じがたい。
仕事したからといって直後に自己実現できることはない。給料だって月末にならないともらえない。昇進することだって年度末の人事異動時期がほとんどだ。
仕事をすることの直接の原因は、なんだろう。プレゼンテーションがうまくいった。部品の組み立てできた。上司の励ましがあったなどである。
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