2020年12月31日木曜日

組織文化のマネジメント

 職場内の組織文化といっても、職員一人ひとりの行動が作り上げているものだ。目指す組織づくりのために、どんな行動を強化し、弱化するか明らかにすることである。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で370回目となる。

 【引用はじめ】

 私たちは日々、職場でさまざまな随伴性や随伴性を記述したルールに制御されて生きている。それが、「組織文化」と呼ばれるものの正体だ。

 組織文化というと、何か漠然として変革の手がかりがつかみにくいものに感じられる。しかし、ある組織の中で機能する随伴性やそれを記述したルールが、そのメンバーの行動を制御していることに気づけば、組織文化変革の糸口は見えてくる。

 目指す組織を作り上げるには、どのような行動を強化していけばよいのか、どのような行動を許してはならないのか。目指す文化を構成する行動を特定し、新たな随伴性やルールを導入すれば、組織文化は変えることができる。それが、組織文化のマネジメントだ。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.328、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 組織文化の変革には、職場の随伴性を変えることである。

 組織内の課題を明確にして、その随伴性を変える。そのことによって、あるべき行動を強化するのである。逆に、問題となる行動を弱化するのだ。

 その中にはルールによって変えられるものもある。

 複雑で困難な課題に対しては、分かりやすい課題分析が必要だ。そこから適切な随伴性を試みるのである。簡単にはいかないことも多い。失敗をおそれず、何度も成功に導く試みを行うのである。

2020年12月30日水曜日

従いやすいルールと従いにくいルール

 ルールには従いやすいものと従いにくいものとがある。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で369回目となる。

 【引用はじめ】 

  1.  従いやすいルール 一回の行動に随伴する結果が適切な大きさで、確率が高ければそのルールは従いやすい
  2.  従いにくいルール 一回の行動に随伴する結果が小さすぎたり(累積的にしか表れない)、確率が低すぎたりするとそのルールは従いにくい

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.326、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「従いやすいルール」は、「この店のケーキおいしいよ」と言われて、おいしかったら続けてそのケーキ屋に行くようになるということである。

 「従いにくいルール」は、ダイエット中なのに一口ぐらいケーキ食べても大丈夫という具合に、ケーキ食べることが制御できない。「ちりも積もれば山となる」や「私だけは大丈夫」ルールでは、目指す行動を制御できないのである。



2020年12月29日火曜日

シートベルト着用率が上がったのは減点制が導入されたから

 シートベルトの着用率は向上した。それも減点制度ができてからである。強制力がなかったときには、シートベルトをつける人は少なかった。その理由はなぜか。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で368回目となる。

 【引用はじめ】 

 シートベルトをすることで、事故に遭った時の死亡率を半減するという事実があるのに、それを訴えるだけでは、ほとんどのドライバーはベルトをしなかった。

 しかし、平成19年度には一般道でのドライバーの着用率が95.0パーセント、助手席で86.3パーセントになったのは、減点が導入されたからである。

 危険を訴えるルールがなぜ守られないのかというと、そもそも交通事故に遭う確率が低いからだ。

 だから、「自分だけは大丈夫」ということになり、コンプライアンスが得られないのである。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.325~p.326、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 シートベルトを付ければ、死亡率は半減する。そういったルールをわかっていても、シートベルトに拘束されることがイヤというせいで以前は付けない人が多かった。

 結局は、交通事故に遭うことが少ないので、自分だけは大丈夫と思ってしまう。

 減点制という罰則がついて始めてシートベルトの着用率が上がったのである。

2020年12月28日月曜日

タバコ1本吸っても肺がんにならない

  タバコを1本ぐらい吸っても肺がんにはならないし、自分は大丈夫と思っている。ずっと吸い続けても元気な人はいっぱいいるのだから。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で367回目となる。

 【引用はじめ】 

 禁煙も難しい。吸えば将来、肺がんになるリスクが増えるということは、人に言われるまでもなく十分知っているのに、どうしてもタバコがやめられない。吸った瞬間に快感が得られるという強化随伴性と、吸うと将来のリスクが高まるというルールとの「せめぎあい」になる。

 けれど、タバコを吸えば必ず肺がんで命を縮めるのかというと、それは確率の問題だ。

 もしも、ほぼ100パーセント肺がんになるということであるなら、喫煙行動にも歯止めがかかるだろう。

 けれど「肺がんになる人もいる」ということでは、「私は大丈夫」という甘い考えを持つことをやめることはできない。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.325、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 タバコを吸って肺がんになる人は、運が悪い。私は肺がんになるはずがない。私の周りにはタバコを吸って肺がんになった人はいない。

 そんな風に考えて、タバコを止めようとしない。禁煙をしたほうがよいとは健康によいとも思っているのだが、食後の一服は何にも代えがたい快感である。 

2020年12月27日日曜日

ダイエットはなぜ難しい

  ダイエットというのはなかなか難しい。その理由はなぜなのだろう。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で366回目となる。

 【引用はじめ】 

 ダイエットを決意して、甘いものを食べるのをよそうと思っても、なかなか難しい。「甘いものを食べれば太る」というルールがありながら、守れない。なぜか。

 それはまず、甘いものを食べるという行動を強化する強い随伴性があるからだ。甘いものを食べると、その瞬間に口の中に甘美さが広がり、何とも幸せな気分になってしまう。この強化の随伴性に対抗するには、通常のルールはあまりにも貧弱だ。

 食べたら太るとはいっても、ケーキ一個やお団子一串で増える体重は一グラムにもならない。ケーキ一個やおだんご一串を何日も繰り返し、二、三ヵ月するとウェストがきつい。

 「太る」という結果は累積的にしか意味がない。ケーキ一個でも必ず皮下脂肪はつき、体重も増えている。しかし、誰にもわからないくらいほんの少しだけだ。この小さすぎる結果、累積しないとわからない結果は、行動を制御しにくい。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.324~p.325、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 甘いものを食べると太ることは分かっている。

 でも、ケーキを一口食べてもその直後に体重が増えるわけでない。だから、ついつい甘さという強力な随伴性に負けて食べてしまう。

 それが少しずつ繰り返されれば、わずかずつだが体重は増えていく。ダイエットしようと思ってもうまくいかない。

 「ちりも積もれば山となる」というルールでは、ダイエットなどの行動制御は難しい。

2020年12月26日土曜日

従いやすい行動、従いにくい行動

  ルール支配行動といっても、ルールしだいでは従いやすい行動と従いにくい行動がある。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で365回目となる。

 【引用はじめ】 

 私たちが生きる社会には、さまざまなルールがある。

 「お小遣いを貯金しよう。そうすれば、いつか欲しいものが買える」

 「メールをもらったら、すぐに返事をしないといけない。さもないと、やがてメールがもらえなくなる」

 「甘いものを毎日食べていたら、そのうち太る」

 これらはすべて随伴性を記述したルールだ。

 そうしたルールの中に、行動学的に見て、従いやすいものと従いにくいものとがある。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.324、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「甘いものを毎日食べると太る」と言われても、ケーキ1個食べてもすぐ太るわけでない。

 ついついケーキに手がのびる。それが度重なればいずれ太ってくる。

 これぐらいのルールという言語指示ではケーキを制御するのは難しい。従いにくい行動といっていい。 

2020年12月25日金曜日

ルール支配行動の維持

   私たちの行動は、言語刺激などのルールによって制御されているものも多い。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で364回目となる。

 【引用はじめ】 

 私たちは、日常生活でルール支配行動を頻発する。

 グルメの友人に、「あの店のステーキはおいしいよ」と言われて行ってみる。

 これは、「あの店に行って、ステーキを食べれば、満足する」という強化随伴性を示したルールに従った行動だ。しかし、実際に行って食べれば、随伴性にも直接さらされる。そして、食べてみておいしくなければ、二度とその店には行かない。弱化随伴性によって直接行動が制御されるわけだ。

 したがって、いったんはルールによって生じた行動も、最終的には実際の随伴性に左右されるのである。 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.323、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ステーキのおいしい店を友人から教えられて、行ってみる。実際、おいしかった。

 そうすると、他の人にもあそこの店はステーキがおいしいよと教える。多くが満足する。

 ルール支配行動によって、多くの人がおいしいステーキの店に行くのだ。ルール支配行動による行動の制御である。 

2020年12月24日木曜日

随伴性形成行動とルール支配行動

   行動を制御するのはどのようなものかによって、行動の特性を分類している。

 行動の直後による随伴性か、ルールによる制御かである。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で363回目となる。

 【引用はじめ】 

 人間の行動には、直後に現れる好子や嫌子が制御している行動と、ルールによって制御されている行動とがある。前者が随伴性形成行動であり、後者がルール支配行動である。

 随伴性形成行動 随伴性によって制御される行動

 ルール支配行動 ルールによって制御される行動 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.322~p.323、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 私たちの行動を制御している原因は何か。二つの原因を想定している。

 行動の直後によって制御されているものがある。

 言語指示などのルールによって制御されているものもある。ルールーによって制御できるのは人間の特徴でもある。 

2020年12月23日水曜日

ルール支配行動

   行動の直後によって強化されなくても、行動を強化する方法がある。ルールなどの指示といった言語刺激による随伴性である。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で362回目となる。

 【引用はじめ】 

 一か月先のコンサートのチケットを手に入れるために発売日に窓口に並んだり、来年受ける国家試験に備えて勉強する。

 しかし、六〇秒以上たって起こる行動を強化しないから、よい席でコンサートを聴けることや、国家試験合格そのものは好子ではない。

 これを説明する鍵がルール支配行動という概念である。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.321、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 人気歌手のコンサートのチケットは何か月前でも先を争って購入する。

 チケットを購入した直後にコンサートがあるわけもないのだが。それは何か月先に確実にコンサートを聴けることが約束されているからだ。

 ルールが明確になっているので、チケット購入という行動を何か月先でも強化することができるのだ。

 ルールが介入すると行動を制御できるのである。

2020年12月22日火曜日

品質重視の風土がない

   不良品を出さないようにするにはどうするか。

 生産ライン上で、不良品と思しきものがあったらラインをストップして確認することがコンプライアンスとして決まっている。それがなかなか守られない。ラインを止めても不良品でない場合もあったりするからだ。

 そのおかげで、生産効率が悪くなり、ラインを止めた作業員が周りから白い目で見られたりする。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で361回目となる。

 【引用はじめ】 

 不良品を発見するためにラインを止める行動を強化する随伴性は、なかなか定着しなかった会社がある。

 それどころか、この行動はむしろ弱化され続けている。

 これでは、トップマネジメントが品質の重要性をうたっても、社員はそのようには動かず、品質重視の風土は生まれない。

 コンプライアンスを求めるなら、それを支える随伴性がなければならない。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.320~p.321、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 不良品を発見する行動を強化するための随伴性が、社内風土として必要である。

 生産ラインを止めてでも、不良品を見つけるという作業員一人ひとりの行動が強化されるようにしなければならない。

 例えば、不良品が見つかれば10点、不良品のままで出荷したら-10点、さらに疑わしい不良品とコンプライアンスどおりに生産ラインをストップして確認したら1点などと決めたりするのである。

2020年12月21日月曜日

生産ラインは止められない状況

   生産ラインを止めると確実に欠陥品が見つかるといいのだが、必ずしもそうはならない。

 見つかることがごくまれな状況だとコンプライアンスどおりに作業員は動かない。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で360回目となる。

 【引用はじめ】 

 一〇人が一つの生産ラインで共同作業している場合、一人がラインを止めることで、一〇人全員のボーナスが減る。となれば、ラインを止めたら周囲から白い目で見られるかもしれない。

 ラインを止めるとボーナスが減り、周囲から白い目で見られる。そうなれば、ラインを止めるという行動は弱化されることになる。

 では逆に、怪しいものを見つけてもラインを止めなかったら、どうなるか。この職場では何も起こらない。つまり、ラインを止めるという行動を強化する効果的な随伴性は、ここには存在しない。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.320、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 作業員にとっては、不良品かもしれないと疑い持っても、生産ラインを止めるのは簡単ではない。

 生産スピードを落とすことになって報酬にも響く。さらに、もし不良品でなかったら他の作業員から白い目で見られるかもしれない。

 こうした状況にあれば、コンプライアンスを守らないことになる。最初は不良品はごくわずかで問題にならないが、それが繰り返されれば大ごとになりかねない。大ごとになってからでは取り返しつかないのだが、作業員たちの多くは目先の対応に追われることが続く。 

2020年12月20日日曜日

生産スピードの低下は報酬低下につながる

   流れ作業の生産ラインは、欠陥品の可能性があればラインを止めるというコンプライアンスがある。

 しかし、それは欠陥品であるとは必ずしも限らなかったりする。そうなると、生産ラインを止めて生産スピードを低下させることにはどうしてもためらったりするのだ。報酬に影響するとなればなおさらだ。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で359回目となる。

 【引用はじめ】 

 生産スピード低下の随伴性は、不良や欠陥が見つかろうと見つかるまいと100パーセントの確率で起きる。

 そして、生産スピードの低下は生産高の減少を招き、最終的にはボーナスが減ることになるのである。

 つまりラインを止めるということは、作業員たちの報酬に影響する。

 これでは、ラインを止めるという行動が維持促進されるわけがない。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.319~p.320、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 欠陥品を出したくないとは、作業員なら同じ思いである。

 しかし、生産スピードを落とすことになるような生産ラインを止めてまでというジレンマがある。

 作業員のボーナスに影響する。こうなったら、欠陥品を見逃す結果になることもあり得る。

 生産ラインを止めても、欠陥品であるとは限らないからである。

 結局、コンプライアンスは守られないことになり、大きな問題を生じかねない。こうなってしまうと、後の祭りと言っていい。

2020年12月19日土曜日

生産ラインを止めると生産スピードが落ちる

  コンプライアンスすなわち規則順守が守られず、不良品や欠陥品を出してしまう。生産ラインの流れ作業の中でうまく欠陥品を発見できないことが起きてしまう。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で358回目となる。

 【引用はじめ】 

 規則が守られないのは、そこに理由があるからだ。

 例えば、生産ラインで流れ作業をしているが、もし自分のところに不良品・欠陥品と思われるものがきたら、ラインを止めてチェックする。それが規則だ。ところが、それが守られない。

 この場合、注意しなければいけないのは、この随伴性は部分強化だということだ。

 ラインを止めてチェックすれば必ず不良や欠陥が見つかる訳ではない。部分強化は行動を維持するには有効であるが、それは、行動が十分形成されてからの話だ。

 行動が形成されるには連続強化が必要だ。

 そういう意味では、生産工程が原始的で、品質が不安定な工場であったなら、止めれば、高い確率でそこに不良や欠陥を発見できるため、ラインを止める行動が形成できただろう。

 ところが最新式の工場で、不良や欠陥などめったに発生しない状況下では、ラインを止めても不良や欠陥を発見できる可能性は低い。

 そうなると、ただの空振りに終わってしまい、生産スピードを落とすだけという結果になり、この行動は身に付かないのだ。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.318~p.319、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 流れ作業で生産ラインを止めると、生産効率を落としてしまう。そのため、欠陥品かもしれないと思っても生産ラインを止めずやり過ごしてしまう。

 欠陥品はごくわずかで問題ないと最初は思っていても、それが続けば大きな問題を引き起こし、取り返しつかない事態になることだってある。コンプライアンスが守られなかったことが、企業の信頼を揺るがす結果となるのだ。コンプライアンスを守る随伴性が企業内になければならない。

2020年12月18日金曜日

なぜ規則が守られないのか

 今は、どこの企業等においてコンプライアンスすなわち規則順守が叫ばれる。当然のことが守られず大きな問題を引き起こすケースもたびたびだ。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で357回目となる。

 【引用はじめ】 

 コンプライアンス(法令・規則の遵守)は今日、企業をはじめ公的団体においてもきわめて重要な課題となっている。

 この課題が特にやっかいなのは、問題が起きたときには組織全体を揺るがす重大事にもなりかねないのに、問題を引き起こすのはたてていの場合、組織の中の一個人またはごく一部の人たちであるという点だ。

 つまり、ひとたび出火すれば大火事になってしまうのに、火種はどこにでもありうる、という状況なわけだ。

 そこで今ではどこの組織でも、行動規範をはじめとする各種の規則を作り、それを徹底させるべく研修やテストなどを行う。

 にもかかわらず、あちこちの会社で問題が起きるのは、なぜなのか。なぜ、規則を守られないのか。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.318、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 日々の活動において、決められたことを決められた通りにやっていれば問題は起きない。そのための規則である。ところが、だんだんと慣れてきたりすると、面倒になって省略してしまう。

 それが便利で問題なければいいのだが、省略することで欠陥を出すことがしばしば起きかねない。

 それを放置すれば、問題が積み重なって大問題を生ずるのだ。取り返しつかないことになってしまう。

 そうならないためにも、規則順守のための随伴性が必要になる。 

2020年12月17日木曜日

好感度を条件づける

 情動反応については、ネガティブなものだけでなく、ポジティブな反応にも条件づけることができる。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で356回目となる。

 【引用はじめ】 

 情動反応を引き起こす条件反射は恐怖や不安などのネガティブな反応だけではない。好感度を条件づけることもできる。

 評価条件づけと言われる実験がある。人の顔写真(本来は中性刺激)を見せ、それぞれの写真に、「誠実な」というようなポジティブな形容詞か、「残酷な」のようなネガティブな形容詞を対提示する。

 これを繰り返したあと、今度は写真だけを見せて、写真の顔の好き嫌いを評定させる。

 すると、それぞれの写真になんという形容詞が対提示されたか覚えていない場合でも、ポジティブな形容詞と対提示された写真の顔は「好き」、ネガティブな形容詞と対提示された顔は「嫌い」と答えたのである。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.306~p.307、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ポジティブな反応を引き起こす環境に多くさらされれば、ポジティブな傾向が増える。

 物事はポジティブに捉えることによって、進めるといい解決につながりやすい。

 逆に、ネガティブに捉えることは、次につながりにくい。 

2020年12月16日水曜日

不安階層表

 不安や恐怖に対する治療には、系統的脱感作が用いられて効果を上げている。交通事故が原因で運転ができなくなった人に対して、「不安階層表」による治療を用いた例がある。それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で355回目となる。

 【引用はじめ】 

 交通事故を起こし、怖くて運転ができなくなった患者に対し、クシュナーが行った系統的脱感作では、次のような段階で、条件刺激にさらしていった。

  1. 事故を起こす前の車を想像する
  2. 車のそばに立っている自分を想像する
  3. 運転席に座っている自分を想像する
  4. エンジンをかけ、アイドリングしているところを想像する
  5. ガレージから車を出したところを想像する
  6. 近所を運転しているところを想像する
  7. 交差点にさしかかったが、他には車がないところを想像する
  8. 一旦停止の標識がある交差点にさしかかり、右側から車が近づいてくるところを想像する
 これは不安階層表というもので、もちろん、1が最も弱い恐怖刺激であり、9は実際に事故に遭ったときの場面で最も強く恐怖を引き起こす場面である。患者は1の場面を想像することから始め、想像しても強い恐怖を感じなくなったら、2に移る。これを繰り返し、9の場面まで徐々に消去していくのである。
 なお、この方法は、実際に車を運転するわけでなく、想像で恐怖反応を治療する点で、イメージ脱感作という。イメージでなく本物の刺激を使う、現実脱感作法という治療法もある。(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.305~p.306、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 恐怖や不安を感じる場面や人に対して、不安階層表を作成して徐々に不安などを消去していくのは応用範囲が広い。苦手な人をついつい避けてしまうことでは問題を解決することにはならない。系統的脱感作で苦手意識を取り去る必要がある。

2020年12月15日火曜日

系統的脱感作

  不安や恐怖に対する治療には、系統的脱感作が用いられて効果を上げている。 

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で354回目となる。

 【引用はじめ】 

 系統的脱感作といわれる方法で、恐怖症や不安神経症の治療に開発され、効果を上げている。

 系統的脱感作では、患者に恐怖の対象としている条件刺激を段階的に見せ、恐怖や不安を最低限に保ちながら消去を繰り返す方法である。

 交通事故を起こし、怖くて運転ができなくなった患者に対し、クシュナーガ行った系統的脱感作では、イメージ脱感作という治療法を用いた。

 具体的な不安階層表は次回で紹介する。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.305~p.306、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 苦手な人の前に出ると不安になり冷や汗が出たりする。それで、どうしてもその人に会うことを避けてしまう。

 高所恐怖症の人は高い建物での仕事はできない。

 仕事上、どうしてもそうしたことを避けたままにしておくわけにはいかない。

 その問題を解決するには、不安が小さい順から大きい順に不安階層表をつくって、不安の小さいものから少しずつ不安を感じなくするまで慣れていく。

 これが系統的脱感作である。

2020年12月14日月曜日

オペラント行動とレスポンデント行動

 行動を二つに分類して理解する考え方がある。行動の原因をどう考えるかの違いである。 

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で353回目となる。

 【引用はじめ】 

 行動を二つに分類する考え方がある。

 オペラント行動とレスポンデント行動の二つである。

 二つの違いは、行動の原因についての考え方である。

 オペラント行動の原因は、行動の直後の状況の変化にある。

 一方、レスポンデント行動の原因は、行動に先行する環境内の刺激である。

 つまり、オペラント行動とレスポンデント行動では、行動と原因の時間的順序が逆になる。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.297~p.298、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 行動の原因はどうなっているかによって、行動の捉え方が異なる。

 行動に先行する刺激が原因のものをレスポンデント行動とよぶ。

 行動の直後の状況の変化が原因なものを、オペラント行動という。

 

2020年12月13日日曜日

勝ち癖をつける

 初めから、うまくいかない、だめだとあきらめることをなんとかしたい。

 前向きに取り組むことができないのはなぜか。 

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で352回目となる。

 【引用はじめ】 

 メンタル・タフネスとは、前向きな気持ちと姿勢を身につけることである。

 スポーツのコーチングなどの「勝ち癖」をつけることとも言う。

 ビジネスにおいては、自分の目標を達成するとか、なりたい自分になるとかのために技術と精神を身につけることである。

 負け犬根性というのは、最初から「できない」「負ける」と思ってしまう。それは、過去の随伴性により作られてしまった後天的な習慣である。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.288~p.289、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 何事も取り組む前から、うまくいかないんじゃないかと不安になってしまう。

 過去の随伴性によって失敗が続いたせいである。

 そうしたことをなんとかするためには、不安感情を徐々に減らす方策をとる必要がある。不安感の低い行動からだんだんと不安感の高い行動に慣れていく手法が使われる。 

2020年12月12日土曜日

抹殺法

 自己強化として使える「好子」には、「もの」「行動」「フィードバック」「社会的好子」「トークン」などがある。

 ただ、やめたい行動をなんとかやめさせる方法がないか。やめたいと思いが強いが、ついついやってしまうことへの防止策である。やってしまうことを少しでも遠ざけるやり方である。 

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で351回目となる。

 【引用はじめ】 

 営業活動の合間にパチスロに寄ったりする。それをやめたい、やめなければいけないと思いながらやめられない。

 そこで、パチスロのメンバーズカードをすべて捨てた。これを抹殺法と呼ぶ。

 抹殺法とは、問題行動をやめさせるための方法で、その問題行動を物理的にできないようにする方法である。

 パチスロなどをこの世から抹殺すれば、絶対にパチスロには行かない(いけない)。重大なミスを繰り返す部下を解雇すれば、少なくともその部下に悩まされることはもうない。

 物理的に当該の問題行動は二度と起きないが、抹殺法の欠点は望ましい学習の機会を奪う点だ。与えられた状況の中で、随伴性を工夫することによって、新しい行動を学ぶことが人の成長につながるからである。

 パチスロを抹殺法で退路を断っただけでなく、自己強化も取り入れることで、学習の機会も得ることができると成功につながる。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.285~p.286、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ダイエットをするには、甘い物制限する必要がある。そうなったら、まず菓子類を買わない、冷蔵庫にそれに類するもの入れない。

 抹殺法によって甘味類に近づかない。それができれば「トークン」などの自己強化を行う。「トークン」をためて映画などに出かけるのである。 

2020年12月11日金曜日

トークン

 自己強化として使える「好子」には、「もの」「行動」「フィードバック」「社会的好子」などがある。

 その他に、◯印を付けたりする「トークン」なども好子として使うことができる。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で350回目となる。

 【引用はじめ】 

 好子は行動の直後に与えられるほどよい。

 しかし、一回行動するたびに高額の商品を買うわけにはいかない。

 第一に経済的に続かない。

 第二に、次々とものを買っていてはいずれ飽和化が起こる。

 第三に行動の直後に手に入れることができない。

 この欠点を補うのがトークンだ。目指す行動ができたら、すかさずトークンを与える。

 お金である必要はない。表に◯印を書き入れても、ポイントを書き入れてもよい。

 そして、それを貯めて、本当に欲しいものを手に入れるのである。

 トークンは行動としての好子とも交換できる。ドライブや映画を好子にする場合、行動の直後にすることは不可能だ。そんなとき、トークンが役に立つ。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.284~p.285、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「トークン」などの好子も有効に使うと強化随伴性として効果的である。

 標的行動がうまくできたら、シールなどを使って褒める。そのシールが一定量たまったら欲しいものと交換するのである。

 例えば、1回食器洗いの手伝いをしたら、シール1個もらえる。それが10個たまったら、お小遣い100円などの約束をするのだ。家事手伝いを積極的にやってもらうために「トークン」をうまく活用するのである。 

2020年12月10日木曜日

社会的好子

 自己強化として使える「好子」には、「もの」「行動」「フィードバック」などがある。

 さらに、自らを褒めるなども好子として使うことができる。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で349回目となる。

 【引用はじめ】 

 望ましい行動が一つ達成できるたびに、自分で自分を褒めた。

 褒めたり、認めてあげたり、笑顔見せることを社会的好子という。

 社会的という意味は、「人間関係に関わる」ということだから、社会的好子は本来は他者から与えられものである。

 しかし、他者から与えられる社会的好子がすでに機能している人にとっては、それを自分で代行することも可能である。 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.284、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 スポーツ選手が勝利をかちとったりすると、ガッツポーズをする。

 あれも一種の社会的好子である。自らを褒めている。「やった」と素直に表現している。自らの努力を褒めたたえているのだ。

2020年12月9日水曜日

フィードバック

 自己強化として使える「好子」として、「フィードバックする」ことも活用できる。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で348回目となる。

 【引用はじめ】 

 自己強化するには、常に自分で自分の行動をモニターしなければならない。

 データを記録してグラフを書くことも多い。

 すると、このグラフの変化そのものが好子になって行動が変わってくることもある。

 これがフィードバックの好子だ。

 自分で記録をとるだけで行動が改善されることは、減量などのプログラムでよく見られる。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」.p.284、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ダイエットには、レコーディング・ダイエットと称するものがある。

 自分の体重を記録し続ける。

 その記録をフィードバックすることによって、少しずつ体重が減っていくことが励みになる。

 もっと減らすにはどうすればよいかを工夫するようになり、減量に拍車がかかる。

 そうした軌道に乗れば減量間違いなし。減量まっしぐら、頑張れることになる。

2020年12月8日火曜日

行動も好子になる

 自己強化として使える「好子」にはどんなものがあるか。

 生起頻度の低い行動は、生起頻度の高い行動で強化できるという「プレマックの原理」を活用することもできる。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で347回目となる。

 【引用はじめ】 

 心理学者プレマックが発見した原理に、生起頻度の低い行動は、生起頻度の高い行動で強化できるというものがある。

 親が子どもに、「宿題が終わったら、テレビを見てよい」と言って、子どもに宿題をやらせる。

 テレビを見るという生起頻度の高い行動を好子にして、宿題をするという生起頻度の低い行動を強化するやり方だ。

 やるべきことをしたら彼氏に電話をしてもよい。映画を見る、ドライブに行く、というように使う。 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.283~p.284、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「プレマックの原理」は応用範囲が広い。

 日常的な活動において使うことができる。

 部屋の掃除が終わったら、ゆっくりソファに座って読書できる。庭木の剪定が終わったら、妻と談笑する。

 こうしたことによって、ちょっと先送りしてきた行動もやる気になるものだ。 

2020年12月7日月曜日

「もの」としての好子

 自己強化として使える「好子」にはどんなものがあるか。

 その一つとしての「もの」の好子について、舞田本では以下のように述べる。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で346回目となる。

 【引用はじめ】 

 自分へのご褒美として、やるべきことができたときに、欲しいものを手に入れる。

 例えば、朝決めた時間に起きられた日だけ、アイスクリームを買うなどである。

 ものを好子に使うときは、自分が欲しいもののリストをあらかじめ作っておくとよい。

 やるべきことができたときだけそれを得られるようにするのだ。 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.283、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ものを好子として用いる場合は、やるべき行動ができた直後が一番効果的である。

 好子になる「もの」だから、自分にとって好むもの、望ましいものであるのは当然である。 

2020年12月6日日曜日

強化のための好子

 自己強化として使える「好子」にはどんなものがあるか。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で345回目となる。

 【引用はじめ】 

 自己強化のための好子に使えるものには以下のようなものがある。

  1. 「もの」としての好子
  2. 行動も好子になる
  3. フィードバック
  4. 社会的好子
  5. トークン 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.283~p.284、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 今までできなかった行動をできるようにする。そのための好子をうまく使い分けるといい。

 標的行動ができたら欲しかった「もの」を好子とする。

 「行動」も好子になる。

 「フィードバック」も好子として役立つ。

 褒めたりする「社会的好子」も好子として使える。

 丸印などの「トークン」も好子となる。 

2020年12月5日土曜日

随伴性を改良する

 「行動の自己管理」の手順として、1.「標的行動を定義する」、2.「行動を記録する」、3.「ベースラインをとる」、4.「グラフをつける」、5.「新しい随伴性を導入する」のである。

 「新しい随伴性を導入」しても、行動が変化しなかったらどうするか。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で344回目となる。

 【引用はじめ】 

 せっかく工夫して人為的な随伴性も効果があまり見られないこともある。

 何日か続けても行動に変化がないようなら、さらに工夫して随伴性を改良する。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.281、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「新しい随伴性を導入する」としても、行動が変わらない。

 その随伴性では効果がないと判断して、別の随伴性を導入することである。

 新たな随伴性によって、行動が変化するかどうか試す必要がある。

 一度決めたら同じ随伴性でなければならない必要はない。

 より良い随伴性を試みることである。 

2020年12月4日金曜日

新しい随伴性を導入する

 「行動の自己管理」の手順として、1.「標的行動を定義する」、2.「行動を記録する」、3.「ベースラインをとる」、4.「グラフをつける」のである。

 次の手順としてはどうするか。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で343回目となる。

 【引用はじめ】 

 ベースラインが記録できたら、人為的に作った「新しい随伴性を導入する」。

 営業マンの場合なら、標的行動ができるたびに自己強化する。

 グラフは書き続け、行動がどのように変化するか確かめる。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.281、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 営業する場合、「訪問先に挨拶する」、「次のアポを取る」、「商品内容を説明する」、「契約条件を聞き出す」など、それぞれの営業プロセスが達成できる自己強化による随伴性を導入する。

 新しい随伴性を導入していくことで、「受注」までこぎつけるのである。 

2020年12月3日木曜日

グラフをつける

 自分がやるべき「標的行動を定義する」、さらに「行動を記録する」、それには「ベースラインをとる」のだった。

 ベースラインというのは、「従来通りの状況で起こる行動の量」をまず把握するのである。

 それを明らかにするにはどうするか。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で342回目となる。

 【引用はじめ】 

 せっかく行動の記録をつけるなら、それをグラフで示すことだ。

 横軸に日数、縦軸に訪問件数をとり、線グラフを書く。

 訪問した件数を示すグラフはフィードバックとして作用する。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.281、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 標的行動を記録し、ベースラインもわかるようにするには、「グラフをつける」といい。

 自分の行動はどうなっているかを見える化するのである。

 横軸は日付、縦軸が行動の量である。