コンプライアンスすなわち規則順守が守られず、不良品や欠陥品を出してしまう。生産ラインの流れ作業の中でうまく欠陥品を発見できないことが起きてしまう。
それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で358回目となる。
【引用はじめ】
規則が守られないのは、そこに理由があるからだ。
例えば、生産ラインで流れ作業をしているが、もし自分のところに不良品・欠陥品と思われるものがきたら、ラインを止めてチェックする。それが規則だ。ところが、それが守られない。
この場合、注意しなければいけないのは、この随伴性は部分強化だということだ。
ラインを止めてチェックすれば必ず不良や欠陥が見つかる訳ではない。部分強化は行動を維持するには有効であるが、それは、行動が十分形成されてからの話だ。
行動が形成されるには連続強化が必要だ。
そういう意味では、生産工程が原始的で、品質が不安定な工場であったなら、止めれば、高い確率でそこに不良や欠陥を発見できるため、ラインを止める行動が形成できただろう。
ところが最新式の工場で、不良や欠陥などめったに発生しない状況下では、ラインを止めても不良や欠陥を発見できる可能性は低い。
そうなると、ただの空振りに終わってしまい、生産スピードを落とすだけという結果になり、この行動は身に付かないのだ。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.318~p.319、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
流れ作業で生産ラインを止めると、生産効率を落としてしまう。そのため、欠陥品かもしれないと思っても生産ラインを止めずやり過ごしてしまう。
欠陥品はごくわずかで問題ないと最初は思っていても、それが続けば大きな問題を引き起こし、取り返しつかない事態になることだってある。コンプライアンスが守られなかったことが、企業の信頼を揺るがす結果となるのだ。コンプライアンスを守る随伴性が企業内になければならない。
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