流れ作業の生産ラインは、欠陥品の可能性があればラインを止めるというコンプライアンスがある。
しかし、それは欠陥品であるとは必ずしも限らなかったりする。そうなると、生産ラインを止めて生産スピードを低下させることにはどうしてもためらったりするのだ。報酬に影響するとなればなおさらだ。
それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で359回目となる。
【引用はじめ】
生産スピード低下の随伴性は、不良や欠陥が見つかろうと見つかるまいと100パーセントの確率で起きる。
そして、生産スピードの低下は生産高の減少を招き、最終的にはボーナスが減ることになるのである。
つまりラインを止めるということは、作業員たちの報酬に影響する。
これでは、ラインを止めるという行動が維持促進されるわけがない。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.319~p.320、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
欠陥品を出したくないとは、作業員なら同じ思いである。
しかし、生産スピードを落とすことになるような生産ラインを止めてまでというジレンマがある。
作業員のボーナスに影響する。こうなったら、欠陥品を見逃す結果になることもあり得る。
生産ラインを止めても、欠陥品であるとは限らないからである。
結局、コンプライアンスは守られないことになり、大きな問題を生じかねない。こうなってしまうと、後の祭りと言っていい。
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