2020年3月31日火曜日

教え方を教えることの難しさ

 新人社員教育では、社内講師が行う。
 社内講師は会社についてよくわかっている。
 ところが、その内容をどのように教えるかは上手なわけでない。
 そのことを、舞田氏は、「教え方を教えることの難しさ」として、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第105回目である。


 
【引用はじめ】

 多くの会社では、新人社員教育は、既存社員が社内講師となって行う。
 その会社での仕事を一番よくわかっているのは社員自身だ。
 しかし、社内講師に「教え方を教えて」いる会社は、少ない。
 新人社員が営業に配属される場合には、指導役となる指導講師は経験豊かな営業社員があたる。
 彼らは社内の他の誰よりも、この会社の営業ついては知っている。
 だから新人社員に「何を」教えるかは、彼ら社内講師に任せても、あまり心配はいらない。
 だが問題は、それらを「どのように」教えるかだ。
 業界ばかりか社会のことすらよく知らない若者にもわかるような、平易で論理的な説明の仕方、また、何もできない不安を抱えた彼らに明るい希望を抱かせるような、士気やモチベーションの高め方。
 これらは新人社員教育を行ううえで重要な技能である。
 普段の業務では養いにくい技能でもある。      
 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.2412008年、日本経済新聞出版社刊)
 
 【引用おわり】

 新人社員教育の目的は、新人の意欲向上につながるようなものになることが重要である。
 そういう意味で、教育内容と同時に、その内容をどのように教育するかが大事となる。
 もっと、教え方を重視する必要がある。

2020年3月30日月曜日

フィードバックはこまめに

 新人研修の良し悪しによって、新入社員の成長が決まる。
 新入社員に成長を実感させれることができれば会社の戦力になる。
 それには、どんな新人研修がいいか。
 それについて、舞田氏は、「フィードバックはこまめに」と、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第104回目である。


 
【引用はじめ】

 新入社員は自分が成長できることを期待して会社を選び入社してくる。
 入社してすぐに自分の成長を実感させることは、若年社員のモチベーションを高め、早期離職を防ぐ。
 新入社員研修の目的が、会社と本人の両方のために、彼らに少しでも早く会社に慣れ仕事を覚えてもらうことだ。
 本人が最も早く成長できる教え方として、どういう戦術をとるか。
 それには、フィードバックを注意深くやることである。
 フィードバックは一つひとつの行動に対して、こまめに与えることが大切である。
 フィードバックを与えるタイミングは、次回の行動の直前に与えるのが最も効果的だ。
 一つひとつの行動に関して、まず課長や先輩がやってみせ、次にポイントを言って聞かせて、それから本人にさせてみて、結果をフィードバックして、もう一度やらせる。
 あとは、このフィードバックと行動のサイクルを短い期間にたくさん回せば、最も高い学習効果が得られる。     
 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.235~p.2372008年、日本経済新聞出版社刊)
 
 【引用おわり】

 適切にタイミングの良いフィードバックが、新人の成長を促す。
 リーダーの適切な行動をまず見せる。
 それを真似させる。
 そして、その良し悪しをすぐにフィードバックする。
 こうしたことを何度も繰り返し、適切な行動ができるようにするのだ。

2020年3月29日日曜日

「何をやるか」より「どうやるか」が問題

 新人研修における研修プログラムを導入する場合、「何をやるか」は考える。
 しかし、それを「どうやるか」を考えないことがほとんどだ。
 そのことを、舞田氏は、「「何をやるか」より、「どうやるか」が問題」だと、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第103回目である。


 
【引用はじめ】

 研修プログラムの全体的な枠組みはよい。
 だが、一つひとつの研修プログラムを行ううえで、やり方の工夫が必要だ。
 新しいことを導入する場合「何をやるか」というより、「どうやるか」が問題だ。
 例えば、「表彰制度を行う」ということは、どこの会社でも考えつく。
 だが、本当に効果的な表彰をするための「やり方」が必要だ。
 大抵の人は「何をすべきか」を考えることができるが、それを「どうやったら、うまくできるか」について知恵がない。
 結局、物事がうまくいくかどうかは、それを行う人々の心一つにかかっている。
 同じ仕事でも、楽しく早く効果的にできるやり方と、つまらなく非効率でやたら時間のかかるやり方がある。
 普通の会社では、そんなことまで気にしない。
 でも実は、そこにこそ成功と失敗の分かれ目がある。    
 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.232~p.2332008年、日本経済新聞出版社刊)
 
 【引用おわり】

 新人が職場の戦力になるようにするには、新人研修を行う。
 そこでは、その内容より、その内容に関してどう定着させられるかに力点を置くべきである。
 ただ単に職場の知識が分かった程度にならないようにしなければならない。
 職務を任せて分担できるぐらいまで行えるようにするのだ。