2020年4月30日木曜日

負け犬根性

 
 スポーツなどで「勝ち癖」をつけたい。それがうまくいかない。
 いわゆる「負け犬根性」が身についてしまっている。
 それはなぜか。
 そのことについて、舞田氏は、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第133回目である。

【引用はじめ】


 前向きな気持ちと姿勢を身につけることは、スポーツのコーチングなどにはよく用いられる。
 いわゆる「勝ち癖」をつけることです。
 スポーツでは、勝つための技術と精神が必要です。
 ビジネスでも自分の目標を達成するとか、なりたい自分になるとかのために技術と精神を身につけることです。
 「なりたい自分になる」とは、「負け犬根性から脱することでもある」。
 いわゆる負け犬根性というのは、最初から「できない」「負ける」と思ってしまう。
 過去の随伴性により作られてしまった後天的な習慣です。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.288~p.2892008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 今までの失敗のために、何ごとに対しても消極的で意欲的でない。
 結局、今回もうまくいかいないと思ってしまう。
 挑戦しようとしない。取り組みもおどおどとなってしまう。
 過去の経験がそうした習い性になってしまうのである。
 そのためには、過去にこだわらない新たな取り組みが必要である。

2020年4月29日水曜日

抹殺法


 どうしてもやめたい行動があった場合どうするか。
 舞田氏は、「抹殺法」がいいと、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第132回目である。

【引用はじめ】


 パチスロにはまっていて、やめなければいけないと思いながらやめられない。
 パチスロ通いに対処するために、メンバーズカードをすべて捨てた。
 これが抹殺法である。
 抹殺法とは、問題行動をやめさせるための方法の一つで、その問題行動を物理的にできないようにする方法である。
 パチスロやゲーセンをこの世から抹殺すれば、絶対にパチスロには行かない(行けない)。
 重大なミスを繰り返す部下を解雇すれば、その部下に悩まされることはもうない。
 抹殺法とは、物理的に当該の問題行動を二度と起きないようにすることである。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.285~p.2862008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 問題行動が続くようだったら、思い切って「抹殺法」などを用いる必要がある。
 退路を断つというやり方である。
 できない状況を作り出すことになる。
 こうした随伴性も必要な時があるのだ。

2020年4月28日火曜日

トークン

 行動を強化するための好子には、いくつか種類がある。
 そこで、「強化のための好子」には、「もの」、「行動」、「フィードバック」などがあると紹介してきた。
 今回は、「トークン」について、次のように紹介する。 
 舞田氏による著書の紹介は第131回目である。

【引用はじめ】


 好子は行動の直後に与えられるほどよい。
 しかし、一回行動するたびに高額の商品を買うわけにはいかない。
 第一に経済的に続かない。
 第二に、次々とものを買っていてはいずれ飽和化が起こる。
 第三に行動の直後に手に入れることができない。
 この欠点を補うのがトークンだ。
 目指す行動ができたら、すかさずトークンを与える。
 お金である必要はない。
 表に〇印を書き入れても、ポイントを書き入れてもよい。
 そして、それを貯めて、本当に欲しいものを手に入れるのである。
 トークンは行動としての好子とも交換できる。
 ドライブや映画を好子にする場合、行動の直後にすることは不可能だ。
 そんなとき、トークンが役に立つ。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.284~p.2852008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 トークン』とは本人にとって価値のある好子と交換できる代理物のことだ。
 たとえば、 適切な行動に対してシールをつけたり、丸印のチェックをつけたりして、それが何個か集まったら本人がとても欲しがっていたものが手に入る。
 自己強化する上で役立つ手立ての一つである。