2020年5月31日日曜日

行動の問題を解決する科学

 私たちはなぜそうした行動をするのだろう。
 特に、問題になるような行動をしてしまうのか。
 なぜ、それを明らかにする応用科学について、再び舞田本を引用する。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で164回目となる。

【引用はじめ】


 よいことも悪いことも含め、なぜそのように行動をするのか、その原因がわかれば、行動に問題がある場合、それを解決することも可能になる。
 行動の基本原理が明らかにされたあと、1960年頃には、応用行動分析学と呼ばれる応用科学が誕生した。
 行動の問題を、勘や経験に頼って解決するのではなく、行動の基礎研究に基づいた科学的な手法によって解決する応用科学である。

     
  (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.122008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 行動の問題を明らかにして、その解決をしようとする科学ができている。
 応用行動分析学という。
 障がい者支援にとって、非常に役立つ。
 障がい者のより良い生活に導く有効な手立てとなるものだ。
 行動の基礎原理を学び、個々の人たちに合った支援を行うのである。
 適切な支援が障がい者の日常に充実をもたらすことができるのだ。

2020年5月30日土曜日

行動の科学を知らない


  私たちは風邪を引いたりすると、すぐ医者に行ったり、薬を飲んだりする。
 車が故障すれば、修理工場に持っていく。
 こうした困ったことは、専門家に任せる。
 しかし、身近にある行動の問題は、勘と経験でなんとかしようとしてきた。
 なぜ、そうしてきたかを、再び舞田本を引用して次のように述べる。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で163回目となる。

【引用はじめ】


 ちょっとした風邪を引いただけで医者に駆け込んだり、市販の薬を飲んだりする。
 医学や薬学の知識と恩恵に接することには何の疑問も抱かない私たちも、行動の科学の恩恵を享受することはこれまでほとんどしてこなかった。
 それには二つの理由がある。
 一つは、人間というものは、自分のことは自分が一番よく知っていると思い込みがちなこと、二つ目は、行動の科学というものの存在を知らないか、あるいはそのようなものが成立することなど信じられないからである。 

     
  (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.11~p.122008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 私たちは、行動の問題は自分のことだから努力すればなんとかなると考えがちだ。
 行動にも科学が成り立つことを考えもしない。
 そして、どつぼにはまりどうしようもない状況に陥りかねない。
 ただ、時間に任せるといつの間にか解決していることもある。
 結局、放置することになってしまう。これでは、時間もかかるし責任を果たしたことにもならない。
 それも、行動科学的には一つのやり方でもあるのだが。

2020年5月29日金曜日

ちょっとした行動の問題に対して

 学生が勉強しない。子どもがテレビゲームばかりしている。タバコをやめられない。ダイエットがうまくいかない。私たちの身のまわりではこうしたことがしょっちゅうだ。うまくいかないと悩みも多い。
 それについて、再び舞田本を引用して考えたい。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で162回目となる。

【引用はじめ】


 車の調子が悪くなれば、修理工場で整備士に見てもらい、必要があれば修理したり、部品を交換する。
 身体の調子が悪くなれば、医者に行き、診察を受け、薬を飲む。
 場合によっては手術を受けたり、医師の指示に従って、運動療法や食事療法を行う。
 それでは、人々の行動に問題が起きたらどうするか?
 もちろん、社会的にも本人の心身の健康上でもきわめて重篤な問題が起きれば、カウンセラーや精神科の門を叩くこともあるだろう。
 しかし、社員の働きが十分でなく業績が上がらないとか、会議で黙りこくっていて生産的な意見を出さないとか、遅刻や欠勤が多いとか、という程度の問題に、専門家の門を叩く人はまずいない。

     
  (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.112008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 私たちの行動でうまくいかないことをどうすれば良いか。
 ただ、悩んでばかりいてもどうしょうもない。不安や不満なことばっかりになってしまう。
 身体症状があればお医者さんに行く。車が故障すれば修理工場に行く。
 それと同じように行動がうまくないならば、行動をコントロールする専門家に相談したらいい。
 今まで、そうした専門家が一般的でなかったので、眼中にもなかった。
 行動の専門家や行動にかかわる専門書をもっと活用すべきである。

2020年5月27日水曜日

人間の行動を科学することの可能性

 社員の問題は組織の問題に直結する。
 その問題解決にどう対応するかで、社員が立ち直り、組織が活性化する。
 その問題解決には、勘や経験によることが多く、精神論や努力主義が先行していた。
 それに代わる有効なものが取り入れてこなかった。
 それについて、再び舞田本を引用して解明したい。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で161回目となる。

【引用はじめ】


 人の内面に問いかけるさまざまな人材育成論が論じられているが、人が育つ仕組みに関して、実証的な研究に基づく理論的枠組みを持った議論になっていない。
 なぜなら、人間の行動を科学することの可能性に多くの人が気づいていないからである。
 しかし、これを可能にしたのが、本書の理論的バックボーンになっている行動分析学である。
 行動分析学は、米国の心理学者B・F・スキナーが実験を繰り返しながら発見した行動の原理を、整理し、打ち立てた、行動の分析と問題解決のための心理学の体系である。 

     
  (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.10~p.112008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 人間の行動の科学を活用して、社員の行動を変え、会社という組織の文化を変えることができる。
 そうしたことに相性がいいのが行動分析学である。
 これを学ばない手はない。
 最近ようやく各企業において導入され始めたものである。
 まだまだ一般的ではない。
 しかし、他に比べてどれよりも、強力な手立てになること間違いなしだ。