私たちには、「私だけは大丈夫」と思ってしまう傾向がある。
今流行の新型コロナウィルス感染症に対しても、私にはかかるはずがない。
パチンコしても問題ないと思う人もいる。
シートベルトも面倒でしなくてもいいという人もかつては多かった。
それについて、舞田氏は、「私だけ大丈夫ルール=シートベルトの例」として、次のように述べる。
舞田氏による著書の紹介は第140回目である。
【引用はじめ】
シートベルトすることで、事故に遭ったときの死亡率を半減するという事実があるのに、それを訴えるだけでは、ほとんどのドライバーはベルトをしなかった。
しかし、平成19年度には一般道でのドライバーの着用率が95.0パーセント、助手席で86.3パーセントになったのは、減点が導入されたからである。
危険を訴えるルールがなぜ守られないのかというと、そもそも交通事故に遭う確率が低いからである。
だから、「自分だけは大丈夫」ということになり、コンプライアンスが得られないのである。
従いやすいルールと従いにくいルールがあるのだ。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.325~p.326、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
シートベルトの着用率が上がったのは、罰則規定ができたからである。
強制力ができたことによってルールを守ることができるようになった。
そのおかげで交通事故による死亡率も低下した。
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