2020年5月5日火曜日

ちりも積もれば山となるルール

 私たちがなぜ多くの人がダイエットに失敗するのか。
 食事制限してもすぐには体重が減らない。
 多少の運動しても体重は簡単に減少しない。
 食事コントロールや運動の継続を長く続けることが難しい。
 それがダイエットを失敗させる原因である。
 それについて、舞田氏は、「ちりも積もれば山となるルール」のためと、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第138回目である。

【引用はじめ】


 ダイエットを決意して、甘いものを食べるのをよそうと思っても、なかなか難しい。
 「甘いものを食べれば太る」というルールがありながら、守れない。
 なぜか。
 それはまず、甘いものを食べるという行動を強化する強い随伴性があるからだ。
 甘いものを食べると、その瞬間に口の中に甘美さが広がり、何とも幸せな気分になってしまう。
 この強化の随伴性に対抗するには、通常のルールはあまりにも貧弱だ。
 食べたら太るとはいっても、ケーキ一個やおだんご一串で増える体重は一グラムにもならない。
 ケーキ一個やおだんご一串を何日も繰り返し、二、三カ月するとウエストがきつい、ベルトの穴が一つ分ずれた、スカートのフックがとまらない、ということになるのである。
 つまり、「太る」という結果は累積的にしか意味がない。
 ケーキ一個でも必ず皮下脂肪はつき、体重も増えている。
 しかし、誰にもわからないくらいほんの少しだけだ。
 この小さすぎる結果、累積しないとわからない結果は、行動を制御しにくい。
 だから、目の前の、この一つくらい大丈夫・・・・・と思って、たいていの人はダイエットに失敗してしまうのである。
 
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.324~p.3252008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 私たちにとって思いどおりにいかない行動ってたくさんある。
 その多くの原因は、「ちりも積もれば山となる」ことがあるからだ。
 資格をとるには、一定の時間勉強しなければならない。
 それがなかなか続かない。
 外国語をマスターするには、繰り返しの訓練が必要である。
 こうしたことを続けることの難しさがうまくいかない原因なのだ。

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