私たちがなぜ多くの人がダイエットに失敗するのか。
食事制限してもすぐには体重が減らない。
多少の運動しても体重は簡単に減少しない。
食事コントロールや運動の継続を長く続けることが難しい。
それがダイエットを失敗させる原因である。
それについて、舞田氏は、「ちりも積もれば山となるルール」のためと、次のように述べる。
舞田氏による著書の紹介は第138回目である。
【引用はじめ】
ダイエットを決意して、甘いものを食べるのをよそうと思っても、なかなか難しい。
「甘いものを食べれば太る」というルールがありながら、守れない。
なぜか。
それはまず、甘いものを食べるという行動を強化する強い随伴性があるからだ。
甘いものを食べると、その瞬間に口の中に甘美さが広がり、何とも幸せな気分になってしまう。
この強化の随伴性に対抗するには、通常のルールはあまりにも貧弱だ。
食べたら太るとはいっても、ケーキ一個やおだんご一串で増える体重は一グラムにもならない。
ケーキ一個やおだんご一串を何日も繰り返し、二、三カ月するとウエストがきつい、ベルトの穴が一つ分ずれた、スカートのフックがとまらない、ということになるのである。
つまり、「太る」という結果は累積的にしか意味がない。
ケーキ一個でも必ず皮下脂肪はつき、体重も増えている。
しかし、誰にもわからないくらいほんの少しだけだ。
この小さすぎる結果、累積しないとわからない結果は、行動を制御しにくい。
だから、目の前の、この一つくらい大丈夫・・・・・と思って、たいていの人はダイエットに失敗してしまうのである。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.324~p.325、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
私たちにとって思いどおりにいかない行動ってたくさんある。
その多くの原因は、「ちりも積もれば山となる」ことがあるからだ。
資格をとるには、一定の時間勉強しなければならない。
それがなかなか続かない。
外国語をマスターするには、繰り返しの訓練が必要である。
こうしたことを続けることの難しさがうまくいかない原因なのだ。
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