2020年5月30日土曜日

行動の科学を知らない


  私たちは風邪を引いたりすると、すぐ医者に行ったり、薬を飲んだりする。
 車が故障すれば、修理工場に持っていく。
 こうした困ったことは、専門家に任せる。
 しかし、身近にある行動の問題は、勘と経験でなんとかしようとしてきた。
 なぜ、そうしてきたかを、再び舞田本を引用して次のように述べる。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で163回目となる。

【引用はじめ】


 ちょっとした風邪を引いただけで医者に駆け込んだり、市販の薬を飲んだりする。
 医学や薬学の知識と恩恵に接することには何の疑問も抱かない私たちも、行動の科学の恩恵を享受することはこれまでほとんどしてこなかった。
 それには二つの理由がある。
 一つは、人間というものは、自分のことは自分が一番よく知っていると思い込みがちなこと、二つ目は、行動の科学というものの存在を知らないか、あるいはそのようなものが成立することなど信じられないからである。 

     
  (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.11~p.122008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 私たちは、行動の問題は自分のことだから努力すればなんとかなると考えがちだ。
 行動にも科学が成り立つことを考えもしない。
 そして、どつぼにはまりどうしようもない状況に陥りかねない。
 ただ、時間に任せるといつの間にか解決していることもある。
 結局、放置することになってしまう。これでは、時間もかかるし責任を果たしたことにもならない。
 それも、行動科学的には一つのやり方でもあるのだが。

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