組織において、問題があっても、放置していればそうした土壌をつくってしまう。
問題を放置せず直ちに対応する組織になっていれば、望ましい土壌をつくりだす。
問題を放置する随伴性、問題に真正面から対応する随伴性によって、組織の土壌は違ってくる。
そうした土壌は、組織における文化・風土である。
そこで、舞田氏は、「随伴性が文化・風土をつくる」と、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第144回目である。
【引用はじめ】
行動の変化は、強化の頻度に比例します。
これは、夢への階段を一歩一歩のぼっていくステップです。
文化とは、実はさまざまな随伴性の集合体です。
たとえば、「問題を見つけたときに、それを指摘すると、嫌な目で見られたり邪魔にされたりする」とか、「問題を見つけても、知らん顔をしてなかったことにしていれば、罰や叱責を免れることができる」とかの随伴性がある会社では、組織ぐるみで虚偽や偽装が行われます。
個人の意識や資質に関係なく、そういう文化ができてしまうのです。
逆に、「問題を見つけたときに、それを指摘すれば、周囲から賞賛され尊敬される」とか、「問題を見つけても、知らん顔をしていたら、やがて厳しい叱責や罰が待っている」とかの随伴性がある会社では、仕事の品質にこだわる文化が定着します。
随伴性が文化・風土をつくり、随伴性を変えれば文化・風土がわかるのです。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.333~p.334、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
組織を望ましい方向に変えるには、その時々の適切な随伴性が必要である。
問題をしっかり把握して、それを変える随伴性を工夫することである。
そうした日々の積み重ねが組織の文化・風土に影響を与えるのだ。
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