2020年9月30日水曜日

言語プロンプト

 適切な行動を自発するのが難しい場合、補助的な刺激によって行動を促すのに、プロンプトという手法を用いる。

 プロンプトには4種類のやり方がある。1 言語プロンプト、2 身振りプロンプト、3 モデルプロンプト、4 身体プロンプトである。

 そのうちの言語プロンプトについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で279回目となる。

 【引用はじめ】 

 1 言語プロンプト

 言葉で促すプロンプトである。

 答えがわからないとき、最初の一文字をヒントとして出したり、報告を明確に言ってもらうために、「5W1Hで言ってね」と促したりするのが、言語プロンプトである。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.206、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 例えば、発語が不十分な障害児に、リンゴを提示する。

 「これなあーに?」と問いかけても答えられない。

 そうした時、「リ」という一語をヒントとして言う。

 それに答えて、「リンゴ」ということができたら強化する。

 そのような指導のしかたを用いる。

 言語プロンプトのやり方である。

2020年9月29日火曜日

プロンプトのタイプ

 適切な行動を自発するのが難しい場合、補助的な刺激によって行動を促すといい。

 それはプロンプトである。プロンプトには4種類のやり方がある。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で278回目となる。

 【引用はじめ】 

 プロンプトは行動に先行して与える刺激で、特定の場面で、適切な行動を促すために使われる。

 プロンプトには次のような4種類がある。

  1. 言語プロンプト
  2. 身振りプロンプト
  3. モデルプロンプト
  4. 身体プロンプト 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.189~p.190、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 適切な行動ができるようにするために、プロンプトという補助的な刺激を提示する。

 そして、自発行動ができるまで、徐々にそのプロンプトを減らしていく。

 最終的にそうしたプロンプトがなくとも適切な行動ができるようにするのである。

2020年9月27日日曜日

青信号による先行刺激によって横断歩道を渡る

 行動は、先行する刺激によっても変わることを私たちはよく知っている。

 青信号で横断歩道を渡ったり、朝の挨拶も相手によって変えたりするのはそのためである。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で276回目となる。

 【引用はじめ】 

 行動は直後の結果によってだけ左右されるわけではなく、行動に先立つ先行刺激が行動を制御することもある。

 これを行動が刺激制御されているという。

 私たちは、青信号では道路を横断するが、赤信号では渡らずに待っている。

 青信号は安全に横断することができるという強化にび付く。このことを弁別刺激という。

 私たちは、道路横断の際には、信号の色を弁別刺激にしている。

 挨拶する際は、挨拶する相手を弁別刺激にして、言葉遣いを選ぶ。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.189~p.190、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

  行動の制御は、先行刺激の違いによってなされる。青信号が横断を促す。

 上司に対する朝の挨拶は、「おはようございます」と丁寧な言葉で言う。

 青信号や上司が弁別刺激となって、行動が変わるのである。

適切なタイミングで行動を起こす方法

 行動は、適切な時に適切に自発する必要がある。

 しかし、そううまくいかない場合どうするか。

 行動を促す手立てをタイミングよく提示するのである。

 このことについて、舞田本では以下のように述べる。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で277回目となる。

 【引用はじめ】 

 行動が満足のいく頻度や強度で起こらないならば、強化すればよい。

 行動がまったくできなければ、まずシェイピングやチェイニングで作り上げる。

 だが行動にはまだ他の問題もある。

 行動そのものができないわけではないが、適切なタイミングで、必要なときにできない場合だ。

 そのような時は、行動を「促す」補助刺激が必要である。それがプロンプトだ。

 プロンプトは、行動を促すべく、行動に先立って与えるヒントである。

 ヒントはあくまでヒントであって、答えそのものを教えるわけではない。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.204~p.205、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ターゲットとする行動そのものはできるのだが、適切な場面や適切な時にできない。

 そういう場合は、その行動を引き出す刺激が必要なのだ。

 それがプロンプトと言われる補助刺激である。

2020年9月26日土曜日

相手によって違った挨拶をする

 行動は、直後の状況の変化によって変わる。

 さらに、行動に先行する状況でも変わる。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で275回目となる。

 【引用はじめ】 

 「おはよう」という朝の挨拶は、相手が同僚か、部下か、上司か、お客様かによって、変わってくる。

 同僚や部下には「おはよう」で済むが、上司やお客様には「おはようございます」と言うだろう。

 妻や恋人に対して「愛しているよ」と言ったとしても、職場の同僚には、そのようなことはむやみに言わない。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.188~p.189、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 挨拶の仕方は、相手によって変わる。

 後輩などには「おはよう」。

 上司などに対しては、「おはようございます」。

 親しい友人などに対しては、「おっす」などと使い分けする。

 上下関係や親しさなどの違いなどによって変わる。

 先行する状況によって行動の違いが出てくるのである。

 

2020年9月25日金曜日

先行刺激による行動の制御

 行動を制御する上で、直後の状況の変化が重要とずっと述べてきた。

 それだけでなく、行動に先行する状況にも影響されることが多い。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で274回目となる。

 【引用はじめ】 

 行動分析学的に行動の原因を考えるとき、最も重要な点は、行動の直後に何が起こったかに目をつけることである。

 だから、行動の原因を知りたいならば、直後に起こった出来事を明らかにし、行動を変化させたいならば、行動の直後の結果を操作する。

 しかし、行動は直後に起こることによってだけ変化するわけではないことは、日常生活から容易に見てとれる。

 行動の真の理解と改善にとって、直後の状況の変化に加え、先行する状況の分析も重要だ。

 たとえば、運転中に信号にさしかかると、青であればそのままアクセルを踏み続けるし、赤であれば、ブレーキに踏み替える

 信号の色によって、アクセルを踏むか、ブレーキを踏むかが決まってくる。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.188、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 行動は、直後の結果とともに、直前の出来事がどのようになっているかも分析することである。

 そのことによって、行動の理解がより明確になる。 

2020年9月24日木曜日

言葉の力を借りずに教えることができる方法

 新しい行動を習得するための「教える」方法と、「人を導く方法がある。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で273回目となる。

 【引用はじめ】 

 教示、モデリング、身体的誘導によって学ぶことができるのは、言葉を持った人間だけである。

 逆に言えば、シェイピングとチェイニングは、言葉の力を借りずに教えることができる方法だ。

 だからこそ、教えられているという感覚なしに、学ぶことができるのだろう。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.177、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 人は言葉があるので、言葉によって学ぶことができる。

 「教示」という方法は、言葉の説明によって学ぶ。

 シェイピングは、細分化したステップを少しずつ学んでいくので、言葉を特別用いる必要はない。

 言葉が十分身についてない幼児や障害児、外国人などにはシェイピングの手法は有効である。

2020年9月23日水曜日

シェイピングやチェイニングは人を導く方法

  新しい行動を習得するための「教える」方法は、教示、モデリング、身体的誘導の三つである。

 それに対して、人を導く方法が「シェイピング」や「チェイニング」である。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で272回目となる。

 【引用はじめ】 

 人間というものは、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて」、さらに、「褒めてやらねば、人は動かじ」である。

 教示、モデリング、身体的誘導の三つは、典型的な「教える」方法に対し、シェイピングやチェイニングは「教える」という感覚を超えて人を導く方法ともいえる。

 覚える道筋を合理的に整え、学び手が自発した行動を、褒め言葉や激励を好子に使って上手に強化し、教えられている自覚なしに、新しいスキルを習得させる。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.176~p.177、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 山本五十六が残した有名な言葉が次のとおりである。

 「やってみせ、言って聞かせて、 させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、 任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、 信頼せねば、人は実らず。」

 人生訓として、行動分析学に通じるものである。

 

2020年9月22日火曜日

教示、モデリング、身体的誘導という教える方法

 新しい行動を習得するための「教える」方法がある。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で271回目となる。

 【引用はじめ】 

 教示とは、言葉で教えることであり、言葉には話し言葉と書き言葉がある。

 口頭で説明を受けたり、マニュアルや取扱説明書のように文字で書かれた情報を頼りに、新しいやり方を学ぶことができる。

 モデリングとは、モデルを示す、すなわち、お手本を示すことである。

 すでにその技能を持っている人が、ゴルフやテニスのコーチは、初心者に対して、口で説明し、お手本を見せるだけでなく、フォームがおかしければ、手を添えて、正しいフォームを体験させる。

 これが身体的誘導だ。

 以上の三つは、まさに「教える」方法だ。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.176、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「教える」方法として、教示、モデリング、身体的誘導の3つがある。

 教示は言葉で説明する方法である。モデリングは模範を見せる方法である。身体的誘導は手とり足とり補助してやらせる方法である。

 日常的に取り入れて行っている方法といえる。

 それを意識的・客観的にやることで明確な対応ができるはずである。

2020年9月21日月曜日

新しい行動を習得する手法

 新しい行動を習得するための行動分析学的手法には、いくつのやり方がある。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で270回目となる。

 【引用はじめ】

 課題分析、シェイピング、チェイニングの三つはすべて、新しい行動を習得するための鍵となる手法である。

 新しい行動を習得するための方法として、行動分析学では、次の五つが考案されてきた。

  1. 教示
  2. モデリング
  3. 身体的誘導
  4. シェイピング
  5. チェイニング 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.176、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 教示、モデリング、身体的誘導は、「教える」手法である。

 シェイピング、チェイニングは、「導く」手法である。

 それぞれの実情に応じて用いる必要がある。

 

2020年9月20日日曜日

バックワード・チェイニングはチームで対応

  バックワード・チェイニングとは、最終ステップから逆順に行動の鎖をつなげていくやり方である。

 長くて複雑な行動をうまくやり遂げさせるには、有効な手法である。

 これをやる場合は、力のある人とチームを組んで行うことになる。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で269回目となる。

 【引用はじめ】

 バックワード・チェイニングは、場面に応じて本人と誰かがチームを組まなければならない。

 バックワード・チェイニングは一人ではできないからだ。

 誰か力のある人と組み、最初のプロセスは手伝ってもらわない限り、本人が最後だけやるということは、当然ながらできない。

 したがって個人主義的な職場では、チェイニングはできない。

 個々人が自分だけの目標達成のためにバラバラに動き、管理者もプレーヤーとして自分の仕事だけをするような職場では、人を育てるチェイニングなどは構造的にできないのだ。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.174~p.175、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 バックワード・チェイニングにおいては、ほとんど出来上がって行動の最終ステップを初心者に任せて、成功体験を味あわせる。

 営業活動などにおいて、最終的な成約を初心者に取らせるのだ。

 次の営業活動では、初心者に対して、成約寸前のものを任せて成約までできるようにする。

 というように、成約にいたるそれぞれのステップを逆に経験させて、契約の取り方までできるようにするのである。

 そこで、大事になるのは初心者と経験者がチームを組んで、それぞれのステップに関するノウハウを実践的に支援することである。

 初心者が逆順ステップを経験することで、成功体験を積み重ねることである。

2020年9月19日土曜日

ゴルフの初心者への対応

 バックワード・チェイニングとは、最終ステップから逆順に行動の鎖をつなげていくやり方である。

 長くて複雑な行動をうまくやり遂げさせるためのとても有効な手法である。

 ゴルフ初心者をゴルフ好きにするには良い方法である。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で268回目となる。

 【引用はじめ】

 バックワード・チェイニングの効果を一番実感できるものの一つは、ゴルフではないか。

 ゴルフは通常、ティーショットから始まって、途中のフェアウェイやラフ、バンカーなどを経て、最後はグリーン上でのパットで終わる。

 しかし、ほとんどクラブを握ったことのない初心者が打つと、ボールは第一打からとんでもないところに飛んでいく。

 そして、山を登り谷を下り、グリーンにたどりつくまでに10打も20打もしてしまうと、18ホールを終了する頃には、もうゴルフが嫌になってしまう人もいる。

 だが、もし一緒に回るパートナーが最初のほうを打ってあげ、当人は一番ホールではパットだけ、二番ホールではグリーン周りから、という具合にバックワード・チェイニングをしていってあげたら、少なくとも「二度とゴルフなんてやるものか」とは思わないに違いない。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.173~p.174、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ゴルフを初めてする人にとって、パットしてホールに入れた経験は何にも代えがたい。

 その成功した経験がゴルフに魅力を感じることになる。

 ティーショットから始めてグリーンに乗せるまで何回も打ち続けなければならないことを経験すれば、おもしろさを感じなくなる。

 ゴルフの楽しさは、ボールをカップに入れた「カーン」という音を聞くことにあるのだ。

 特に、初心者にはその経験を多く積ませて、ゴルフの魅力を感じさせる必要がある。

 それには、バックワード・チェイニングの手法を活用するのだ。

2020年9月18日金曜日

最後までやり抜いた喜びを味あわせる

 チェイニングを、逆順に作り上げていくことを、バックワード・チェイニングという。

 バックワード・チェイニングは、とても有効な手法である。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で267回目となる。

 【引用はじめ】

 バックワード・チェイニングは、常に最後までやり抜いた喜びをもって終わる。

 まずは最終ステップができるようにし、それができたら今度はその一歩手前から始めて最終ステップまでいき、それができるようになったら、今度は二歩手前のステップから最終ステップまで・・・・・・と、できる範囲を逆順に広げていくのである。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.173、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 長くて複雑な行動を成しとげられるようにする一つの方法がバックワード・チェイニングである。

 最終ステップを成しとげる経験を積ませる。

 できたぞ、うまくやれたという喜びという動機づけによって、次につなげる。

 最終ステップより一歩手前のステップをつなげてできるようにする。

 それができたら、さらに二歩前のステップをつなげて最終ステップまでできるようにする。

 最初のステップから最終のステップまでつなげられようにして完成させるのだ。

2020年9月17日木曜日

バックワード・チェイニングの魔術

 チェイニングを、逆順に作り上げていくことを、バックワード・チェイニングという。

 バックワード・チェイニングは、とても有効な手法である。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で266回目となる。

 【引用はじめ】

 バックワード・チェイニングは、現実にはとても効果的なことが多い。

 なぜならそれは、一般的に、行動連鎖の最初の鎖を達成したときに得られる好子よりも、最後の鎖を達成した時に得られる好子のほうが大きいからだ。

 たとえばマラソンを想像してみてほしい。

 最初の一歩も最後の一歩も、物理的には同じ一歩である。

 けれど、スタートから一歩を踏み出したときよりも、ゴールのテープを切る最後の一歩のほうが、得られる喜びは比べものにならないほど大きいはずだ。

 この、最後の一歩の喜びを先に味あわせることで、その前の長い道のりにも張り合いを持たせる。

 これがバックワード・チェイニングの魔術である。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.173、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 バックワード・チェイニングは、長くて複雑な行動を身につけるためにはとても効果的である。

 さまざまな場面に応用できる。

 行動マネジメントにとって、誠に有効な方法といえる。

2020年9月16日水曜日

後ろから逆順に鎖をつないでいくバックワード・チェイニング

  チェイニングを、逆順に作り上げていくことを、バックワード・チェイニングという。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で265回目となる。

 【引用はじめ】

 バックワード・チェイニングにより、営業活動をうまくやれるようにする。そこで、次のようにやる。

 最後の鎖の契約手続きが滞りなくできるようになったら、最後から二番目の「二次見積もり」が一人でできるように、教示、モデリング、シェイピングしながら、「二次見積もり」+「契約締結」の鎖をつなぐ。

 この二つの鎖がうまくつながったら、その前の鎖である、「一次見積もり」の行動を作り上げながら、「一次見積もり」+「二次見積もり」+「契約締結」の、三つの鎖をつなぐのである。

 こうして、後ろから逆順に鎖をつないでいき、最終的には、営業の最初のステップである「顧客を訪問する」までつないだところで、チェイニングは完成する。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.172~p.173、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 バックワード・チェイニングは、長くて複雑な行動の最終目標を経験しやすくするものである。

 最終目標の行動ができるようになって、強化される経験は次の動機づけとして有効である。

 強化される機会が増えれば、最終目標の行動も繰り返しできるようになる。

 そして、最終目標の行動の前段を次には付け足してできるようにする。

 それを、さらに前の行動に付け足すなどして、最初の行動までつなげていくのである。

 バックワード・チェイニングによって、営業活動といった複雑な行動を、新しい顧客から成約をとれるようにする行動を身につけられるようにするのである。

2020年9月15日火曜日

バックワード・チェイニング

  チェイニングとは、長くて複雑な行動の一つひとつを鎖のようにつなぎ合わせて、ひと仕事を成しとげることである。

 それには、前から順番に一つずつ仕上げて最後まで長くつなげる場合と、逆に最後の行動から最初の行動を逆につなげるやり方もある。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で264回目となる。

 【引用はじめ】

 バックワード・チェイニングは、行動の連鎖を最後から逆順に完成させていく。

 だから、最初にすべきことは、最後の鎖となる行動を、教示(言葉で説明して教える)、モデリング(手本を見せる)、シェイピングなどのテクニックを駆使して、確実にできるようにすることである。

 それでは、契約締結の前にある長く苦しい営業活動はどうするのか?

 できそうなら、部下がやる。

 しかし、できそうにないなら部下は無理にやらなくてもよい!

 いや、やらないほうがよい!

 契約締結前の行動は、したがって、誰か(当然、それは部下よりスキルのある人、ここでは上司)が代わりにするか、手伝ってやる必要がある。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.172、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 逆順につなげるというのは、なかなか理解しにくい。

 しかし、逆にすることで、最終的な成功体験ができるので効果的なのである。

 最初の行動だけではできない成功体験を味わうことができる。

 効率的な行動マネジメントの一つでもある。

2020年9月13日日曜日

フォワード・チェイニングとは

 チェイニングとは、長くて複雑な行動の一つひとつを鎖のようにつなぎ合わせて、ひと仕事を成しとげることである。

 それには、前から順番に一つずつ仕上げて最後まで長くつなげることだ。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で263回目となる。

 【引用はじめ】

 チェイニングには、フォワード(順行)とバックワード(逆行)の二種類がある。

 フォワード・チェイニングとは、課題分析された行動を少しずつ前から順につなげて鎖を長くしていくやり方だ。

 営業の仕事であれば、まず訪問することを確実に完成させる。

 次に、訪問し、さらに自社紹介と、二つの行動の鎖を完成させる。

 二つの鎖がスムーズにできるようになったら、「訪問」+「自社紹介」+「企画説明」の三つの鎖をつなげる。

 このように行動1から始まって、前から順番に、少しずつ鎖を長くしていって、最後にはすべての鎖をつないで、行動全体を完成させる方法がフォワード・チェイニングである。 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.171~p.172、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 チェイニングというのは、行動1+行動2をつなぐことができたら、次は行動1+行動2+行動3、さらに行動4・・・・・・と行動連鎖ができるようにすることだ。

 この場合は、前から順番につなげていくことからフォワード・チェイニングという。

 その逆の場合もあって、それはバックワード・チェイニングと呼ばれる。

 逆行に行動をつなげるといったことも場合によっては有効な場合もある。

チェイニングとは

 仕事というのは、単純ではない。いくつもの行動がつながっているものだ。

その一つひとつをうまくつなげてはじめてひと仕事を成しとげることになる。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で262回目となる。

 【引用はじめ】

 長くて複雑な仕事において、早く達成感を感じることができるようにするための工夫が必要である。

 それがバックワード(逆行)・チェイニングと呼ばれるものである。

 チェイニングとは、チェイン、すなわち鎖という言葉からきている。

 だから、チェイニングとは鎖でつなぐという意味である。

 長く複雑な仕事を課題分析すると、たくさんの小さな行動に分けることができる。

 その小さな一つひとつの行動を鎖にたとえると、そうした行動が鎖のようにつながって、一つの仕事を形作っている。

 つまり、チェイニングとは、一つの仕事を細かな行動の連鎖として捉えることで、効果的・効率的な行動マネジメントができるようにすることなのである。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.170~p.171、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 長くて複雑な仕事を、細分化した行動をつなぎ合わせることによって、取り組みやすくできる。

 比較的取り組みやすく単純化した行動をいくつもつなぎ合わせる。

 これがチェイニングと呼ばれる手法である。

2020年9月12日土曜日

成功体験の積み重ね

シェイピングによって、「細かな中間目標を設定」しても、その中間目標を突破できない場合がある。

 そうした場合、どうするか。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で261回目となる。

 【引用はじめ】

 できないところでいつまでも挫折感を味わい続けさせるのではなく、いったんは引いて、一歩手前で成功体験を積み重ねさせる。

 そうして十分な実力がついたら、再び第三関門を目標とする。

 そうすれば今度は、成功する確率が高くなる。

 そして、「壁を突破した」大きな喜びに浸ることができるのである。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.159、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 中間目標の達成は、次の目標への意欲を高める。

 ただ、今取り組んでいる目標がうまくいかなければ、もう一度前の目標に戻ることも考慮すべきである。

 前の目標が確実にできれば、再び次の目標に取り組むことである。

2020年9月11日金曜日

挫折したら

 シェイピングを効果的・効率的に行うには、「細かな中間目標設定」することだが、それでもうまくいかない場合がある。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で260回目となる。

【引用はじめ】

行動のマネジメントは人を成功させるためのマネジメントである。
しかし、だからこそ、失敗したときの正しい対処を私たちは知らなければならない。
たとえば第二関門まで突破できるようになった人が、第三関門で苦しんでいたとしよう。
シェイピングの基本セオリーでは、第二関門までできる人には、もはや第二関門の突破では好子を与えず、次の第三関門を抜けたときに好子を与える。
つまり強化の焦点は第三関門にある。
しかし、場合によっては第三関門に何度挑戦しても、どうしても失敗ばかりしてしまうことだってあるだろう。
そういうときに、いつまでも第三関門にこだわっていては、消去と弱化により、「ここから先には決して進めない」ということになりかねない。
そういうときには、目標をいったん後退されるべきだ。
第二関門まで戻してもよいし、第二関門と第三関門との間にさらなる中間目標を立ててもらって、その中間目標が突破できるようにするのである。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.158~p.159、2008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

中間目標の達成がうまくいかないこともしばしばある。
そうしたとき、どうすればいいか。
さらに細かな目標を作成するといいし、あらためて前の中間目標に戻ってやり直すことも必要だ。
できるだけ、失敗を繰り返さないことである。

2020年9月10日木曜日

成功と失敗の繰り返し


 シェイピングを効果的・効率的に行うには、「細かな中間目標設定」することである。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。
 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で259回目となる。

【引用はじめ】

 シェイピングは、成功と失敗の繰り返しだ。

 遠く目標にたどりつくために、近くの目標をまずは達成する。
 しかし、その先に待ち受けている難関で失敗する。
 第一関門を抜けても第二関門で失敗し、第二関門を抜けても第三関門で失敗する。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.158
、2008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 最終目標までうまく到達するには、失敗も多い。
 いくつもの中間目標をクリアしていく必要がある。
 失敗をできるだけ少なくするためにも、細分化した中間目標がいる。
 第一関門ができたら第二関門、次は第三関門と上手に目標達成をつなげていくことである。

2020年9月9日水曜日

失敗を繰り返さないために


 シェイピングを効果的・効率的に行うためには、「即時強化」「細かな中間目標の設定」などが大事だ。
 なぜ、「細かな中間目標の設定」が大事なのかといえば、失敗を繰り返さないためである。

 このことについて、舞田本では次のように述べている。
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で258回目となる。

【引用はじめ】  

 目標の階段をたくさん設定することは、強化の回数、すなわち喜びの回数をたくさん設定することになる。
 逆に、中間目標が粗く設定されていると、一つの中間目標を達成したあとのハードルが急に高くなる。
 すると、失敗する確率が高くなる。  失敗すれば、人は落ち込む。
 失敗すること自体が、嫌子になってしまうのだ。
 どんなに前向きな人でも、失敗ばかり繰り返していては、やがて挑戦意欲を失ってしまう。
 いわゆる消極的な人間になってしまう。  だから、そうならないように、目標は少しずつ少しずつ引き上げ、達成できるたびに強化することが大切なのである。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.158、2008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 最終目標達成まで意欲的に取り組むためには、できるだけ失敗しないほうがよい。
 そこで、最終目標に到達するための段階的な中間目標を設定するのがいい。
 成功の確率が高い中間目標を少しずつステップアップしていく取り組みである。

2020年9月8日火曜日

小さな達成を幾度も祝う

 シェイピングを効果的・効率的に行うにはどうするか。
 その一つが「即時強化」である。
 次に行うべきは、「細かな中間目標設定」である。 
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で257回目となる。

【引用はじめ】


 シェイピングでは、大きな目標を達成するために小さな目標をその中間に設定する。
 このとき、目標は、少しずつ上げてゆけるよう、きめ細かく設定することが大切だ。
 大きな目標を達成することは、誰にとってもしんどい
 初心者なら、なおさらだ。
 その遠い道を、喜びをもって一歩一歩進んでいけるようにしてあげるのが行動分析学的マネジメントである。
 だから、大きな目標を達成するまでの過程で、小さな達成を幾度も祝わなければいけない。
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.157~p.158
2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 最終目標がスムーズに達成できるように「細かな中間目標」を設定する。
 その中間目標ができたら直ちに強化するのである。
 そして、一歩ずつ最終目標へ近づける。
 少しずつの積み重ねを繰り返して、最終目標に到達するようにする。
 これがシェイピングのコツである。

2020年9月7日月曜日

即時強化

 シェイピングを効果的・効率的に行うにはどうするか。
 その一つが「即時強化」を行うことである。 
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で256回目となる。

【引用はじめ】


 中間的に設定した目標を達成したら、すぐに強化することがきわめて大切だ。
 シェイピングは「できない」ことを「段階的にできる」ようにしていくための工夫だ。
 したがって、「ここまでは上手にできるが、そこから先は失敗する」という状況が常につきまとう。
 だから、上手にできた瞬間に好子を提示しなければ、そこから先を失敗して、強化するためのタイミングを逸してしまうからである。
 できたときの喜びを、体に深く覚えこませることが、正しい行動の学習と、さらなる挑戦への意欲を促進する。
 できた瞬間にタイミングよく強化することがポイントとなるのである。
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.157、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 最終目標を目指す中間目標を段階的にできるようにする。
 それには、中間目標が確実に達成できなければならない。
 中間目標ができたら即時強化しなければならない。
 そして、徐々にステップアップして、最終目標まで到達できるようにするのである。

2020年9月6日日曜日

シェイピングのコツ

 部下が上司の求める行動ができるようにするにはどうするか。
 上司が求める最終目標まで到達していない状況においては、シェイピングを用いるのがいい。
 低レベルの行動から高レベルの最終目標まで徐々にレベルアップするのである。
 このシェイピングを効率的に行うにはどうするか。 
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で255回目となる。

【引用はじめ】


 効果的・効率的なシェイピングのコツは次のとおり。
 ① 即時強化
 ② 細かな中間目標設定
 ③ 挫折したら一歩引く
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.157~p.158、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 ターゲット目標がうまくできたら、即時に強化することが重要である。60秒以内が原則である。
 さらに、最終目標までの中間的な目標を細かく設定することである。続けて成功できるようにすることだ。
 次に、挫折したり、失敗するようなことがあったら、前段の目標に戻る。
 これらに留意した対応が必要である。

2020年9月5日土曜日

部下に甘く接するべきか、厳しく接するべきか

 部下が上司の求める行動ができるようにするにはどうするか。
 上司が求める最終目標まで到達していない状況においては、シェイピングを用いるのがいい。
 低レベルの行動から高レベルの最終目標まで徐々にレベルアップするのである。
 部下に対して、甘く接しているわけではない。
 適切に接しているのである。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で254回目となる。

【引用はじめ】


 職場ではよく「部下に甘く接するべきか、厳しく接するべきか」ということで議論となる。
 途中まではできたが最終成果にはたどりつけなかった部下がいた場合、成果が上がらなかったのだから褒めてはいけないのか、それとも途中までできたことを褒めるべきなのか。
 分化強化が繰り返し行われるシェイピングのことがわかっていれば、その答えを見つけることができる。
 つまり「その人が普通にできるぎりぎりの線を上回ったら、褒める」というのが正解だ。
 楽にできることを褒めるのは甘すぎる。
 逆に、まだできないことを、褒める対象とするのでは厳しすぎる。
 だから、部下を常によく見て、現時点での最適な中間目標を設け、それを達成したら褒めるようにすることがポイントである。
 全員に対して画一的な基準で接することは間違いなのだ。
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.156、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 今できない行動をできるようにするには、徐々にステップアップするプログラムが必要である。
 本人の行動にあったステップにするのだ。
 そのステップは低レベルでもなく、高レベルすぎるものでないようにすることが重要だ。
 本人の行動にとって適切な中レベルのものでなければならない。

2020年9月4日金曜日

強化の対象を徐々にレベルアップ

 今までできなかったこと、経験したことのない行動を身につけるには、シェイピングという方法を使うのがいい。
 低レベルの行動から徐々にレベルアップして最終目標に到達するのである。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で253回目となる。

【引用はじめ】


 シェイピングで重要な点は、本人の行動がレベルアップしていくに従い、それまでは好子を与えていた低レベルの行動には好子を与えるのをやめることだ。
 行動を最終目標に向かって徐々にレベルアップさせていくためには、現在の強化対象と、それまで強化していた低レベルの行動とをはっきり切り分ける必要がある。
 強化対象のレベルを上げたら、それ以下の行動には、好子を与えてはならない。
 これを分化強化というが、もし、強化の対象をレベルアップさせなかったら、どうなるか。最終成果にたどりつかない低レベルの行動でも好子が得られるとなれば、人はいつまでも低レベルの行動に甘んじてしまうだろう。
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.155~p.156、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 低レベルの行動ができるようになったら、次のレベルができるようになるまで好子を与え強化する。
 それができるようになったら、次のレベルの行動に好子を与える。
 低レベルの行動から高レベルの行動へと徐々にレベルアップするのがシェイピングである。
 最終目標に向けて段階的に強化していくのである。

2020年9月3日木曜日

徐々に最終目標へと近づけていくのがシェイピング

 今までできなかったこと、経験したことのない行動を身につける。
 それには、シェイピングという方法を使う。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で252回目となる。

【引用はじめ】


 シェイビングを使って、新しいスキルを獲得させ、人の成長を加速させる。
 それには、シェイビングをする際に目指す最終目標となる目標行動を決める。
 次に、今現在できる行動の中から、目標行動に一番近いものを選び、それを出発点の行動にする。
 これは、個々人によって異なるものとなる。
 目標と出発点が決まったら、シェイビングを開始する。
 まず出発点の行動を十分に強化する。
 強化しなければ、行動は身につかない。
 今できることよりも一段レベルアップしたら好子を与える。
 そうやって徐々に最終目標へと近づけていくのがシェイピングである。

 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.154~p.155、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 シェイピングでは、最終目標まで一段ずつ着実にステップアップするようにする。
 出発点ができるようになったら、次のステップができるようにするまで強化する。
 そして、それができるようになったら、もう一段ステップアップした行動を強化する。
 こうした行動を繰り返して、最終目標まで到達できるようにするのだ。