2021年10月1日金曜日

デッドマン(死人)テストで具体的な行動かどうかをチェック

 「騒がないでいる」というのは、「行動」と言えるかどうか。ABA(応用行動分析学)では、それが明確に定義しなければならない。常識的には「行動」と思っていることでも、それは「行動」と言えないことがある。「騒がないでいる」ことも、「行動」かどうか見極める必要がある。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第91回目である。

【引用はじめ】

 ABA(応用行動分析学)でよく用いられる、「行動」を見定める手法の一つが「デッドマンテスト」で、これで具体的かどうかのチェックをします。

 「デッドマンテスト」とは、日本語に訳すとその名のとおり「死人テスト」です。

 なんだかドキッとする言葉ですが、ABA(応用行動分析学)では、「行動」の定義を「死んだ人にはできないこと」としています。そのため、逆に「死んだ人にはできること」は「行動ではない」となるので、その観点から行動といえるかどうかをチェックしていくわけです。

 たとえば、「騒がないでいる」というのは、行動かそれとも行動でないかというと、死人は「騒がないでいる」ので、行動とは言えないのです。 

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.101~p.102

【引用終わり】

 「騒がないでいる」のは、ABA(応用行動分析学)では「行動」と言えない。

 なぜか。「死人テスト」に引っかかるからだ。「死人」は「騒がないでいる」ことができるから。こんなことを聞くと、びっくりするよねえ。それは真面目な話である。「死人」にとって、「騒がないでいる」のは当然のことである。

 「行動」かどうかを判断する上で、「死人テスト」はとても便利な手法と言える。 

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