「騒がないでいる」というのは、「行動」と言えるかどうか。ABA(応用行動分析学)では、それが明確に定義しなければならない。常識的には「行動」と思っていることでも、それは「行動」と言えないことがある。「騒がないでいる」ことも、「行動」かどうか見極める必要がある。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第91回目である。
【引用はじめ】
ABA(応用行動分析学)でよく用いられる、「行動」を見定める手法の一つが「デッドマンテスト」で、これで具体的かどうかのチェックをします。
「デッドマンテスト」とは、日本語に訳すとその名のとおり「死人テスト」です。
なんだかドキッとする言葉ですが、ABA(応用行動分析学)では、「行動」の定義を「死んだ人にはできないこと」としています。そのため、逆に「死んだ人にはできること」は「行動ではない」となるので、その観点から行動といえるかどうかをチェックしていくわけです。
たとえば、「騒がないでいる」というのは、行動かそれとも行動でないかというと、死人は「騒がないでいる」ので、行動とは言えないのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.101~p.102
【引用終わり】
「騒がないでいる」のは、ABA(応用行動分析学)では「行動」と言えない。
なぜか。「死人テスト」に引っかかるからだ。「死人」は「騒がないでいる」ことができるから。こんなことを聞くと、びっくりするよねえ。それは真面目な話である。「死人」にとって、「騒がないでいる」のは当然のことである。
「行動」かどうかを判断する上で、「死人テスト」はとても便利な手法と言える。
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