部下の報告をしやすくするには、報告する前の先行条件も考慮しておくとよい。報告すると得になると思える条件を工夫するのである。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第101回目である。
【引用はじめ】
報告したあとに、よいことがすぐに起きると、行動は繰り返されるようになります(好子出現による強化)。これが、結果を変えていくことで、報告するという行動を増やすABAマネジメントです。
今度は、「A:先行条件」を考えてみましょう。【「Aさんが上司に報告する」前の先行条件のアイデア】は次のとおりです。
- 上司は必ず「報告ありがとう!」と言うルール
- 帰りに10分、報告の時間があるルール
- 報告の時間に「今日、何があった!」と聞かれる
- 時間枠があるので、報告しても時間は増えないと知っている
- 10ポイントもらえるルールがある
このように、「A:先行条件」で、「ありがとうと言うルールがある」「報告ポイントがもらえる」「評価される」などの事前情報があると、行動しやすくなります。また、はじめから報告の時間枠をつくっているという環境になっているので、報告しないほうが時間を取られずに得、ということもなくなってきました。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.112~p.114
【引用終わり】
部下のAさんが上司に報告すれば、上司から感謝されることがわかっていれば、報告しやすくなる。また、報告すれば、上司は適切なアドバイスしてくれることがわかっている。
こうした肯定的な結果が期待できるとなれば、報告も積極的になる。前向きなことが事前にわかっていれば、行動もやりやすい。
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