いかにしたら、ターゲットとすべき行動を決定することができるか。それを吟味するためのチェック項目がある。そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第96回目である。
【引用はじめ】
ターゲット行動決めるには、「目的につながるかどうか」「観察できるものかどうか」「指導できるものかどうか」という目線でチェックします。たとえば、「部下の報連相を徹底する」には、次のようなことができることが目的です。
- クレームやトラブルがあったときにすぐに対応できる
- あとから間違いを正すより、修正がすぐにできるようになる
- 部下の仕事での課題や育成の指導ができるようになる
これを実現する具体的な行動を考えるわけです。具体的行動のうち、「部下が、毎日自分のノートに報告を書いておく」は、目的につながるか、観察できるか、指導できるか、というと、上司がすぐに確認するわけではないので、あまり効果的ではなさそうです。
「部下が、毎週金曜に上司にメールで報告する」は、上司は観察、指導はできそうですが、目的の「クレームやトラブルがあったときにすぐに対応できる」「あとから間違いを正すより、修正がすぐにできるようになる」ということを考えると、毎週金曜日では遅くなってしまう可能性があります。
「部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する」は、本当はその瞬間にすぐ報告するほうがいいのですが、でも週単位で報告するよりはかなりスピードは早くくなります。観察も指導もできそうです。以上のようなチェックから、ターゲット行動は次のようなります。
ターゲット行動決定(優先して取り組む) 部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.105~p.106
【引用終わり】
「部下の報連相を徹底する」ためには、ターゲットとなる行動として、「部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する」こととした。こうすることで、部下の報連相が習慣化するようにした。ターゲット行動を決定する上で、目的・観察・指導といった観点をクリアするものになっている。適切な行動ができるようにするには、その行動がデッドマンテストやビデオカメラテストもクリアする必要もあった。
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