ABA(応用行動分析学)では、具体的な行動の改善に意を尽くす。そのため、行動とは何かを吟味する必要がある。行動を吟味する手法として、「デッドマンテスト」と「ビデオカメラテスト」を用いる。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第94回目である。
【引用はじめ】
デッドマンテストとビデオカメラテストのチェックによって具体的な「行動」を設定します。
たとえば、「改善すること」が、「部下の報連相を徹底する」ならば、次のように「具体的な行動を設定」します。
- 部下の上司への報告漏れをなくす➡デッドマンテスト✕ ビデオカメラテスト〇
- 報連相の研修をして、報連相に関しての意識を高める➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト✕
- 上司がチェックしたときに、報連相の漏れがないようにする➡デッドマンテスト✕ ビデオカメラテスト〇
- 部下が、報告しやすい場をつくる➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト✕
- 部下が、毎日自分のノートに報告を書いておく➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト〇
- 部下が、毎週金曜に上司にメールで報告する➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト〇
- 部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト〇
このように、報連相の徹底につながるような具体的な行動を考えていきます。考えていく過程おいて、「デッドマンテスト」(受け身、行動でないものになっていないか)、「ビデオカメラテスト」(抽象的であいまいな表現になっていないか)をチェックして、具体的にどのような行動が職場にどんどん起きるようにしたらよいのか、ターゲットとなる行動を決めていきます。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.104
【引用終わり】
私たちが常識的に行動と思っていることでも、「デッドマンテスト」や「ビデオカメラテスト」でやってみると、行動とは言えないということがしばしばある。
問題の改善のためには、2種のテストに合格できる具体的な行動を決定して、それをターゲットにする必要がある。
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