部下が報告しないのは、部下が悪いからだと決めつけてしまう。しかし、部下をせめても行動が変わるわけでないことを知るべきである。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第98回目である。
【引用はじめ】
ABC分析をすることで、報告という行動をしないのは、部下の意識が低いということよりも、報告という行動が起きにくい前後の環境に原因があることがわかります。
原因が、行動の前後の環境あることがわかれば、そこを変えていけばよいのです。
従来の、個人を何とかしようというマネジメントをいくらやっても、この前後の環境が変わっていなければ、またすぐに部下が報告しない風土に戻ってしまうことでしょう。
原因が、個人から環境に変わったことで、変えていく対象も変わったのです。
ABC分析によれば、「B:行動」は本人しかできないことであり、最終的には本人に委ねることとしかできません。
しかし、「A:先行条件」と「C:結果」は、まわりがいくらでも工夫し、アイデアを出し、変えていくことができるのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.111
【引用終わり】
上司が、部下に対して「個人攻撃の罠」にはまって、報告義務を果たさないのはお前が悪いと言ってもあまり効果はない。
それよりも、部下の報告行動に対して、その結果上司はどのような対応をしているかが重要なのだ。さらに上司の先行条件として、部下が報告しやすい雰囲気であることも大切だ。
部下の行動を促すためには、上司の行動前後の環境に配慮する必要がある。
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