ターゲットとすべき行動を決定したら、次にABC分析によって、行動の前後にどのような状況にあったことを分析する。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第97回目である。
【引用はじめ】
ターゲット行動決定(優先して取り組む) 部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する
ターゲット行動における「口頭で報告する」ときの現状分析を行います。たとえば、現状で部下のAさんが上司に「口頭で報告する」という行動をしたときは、この組織で実際に起きている「C:結果」は、次のとおりです。
- 上司に「なにやってんだ!」と怒られる
- 「自分でなんとかしろ」といわれ、仕事が増える
- 報告すると説明に時間を取られる
- 報告しても、特に評価は変わらない
また、「A:先行条件」は、行動前には次の状態であることがわかりました。
- 以前に報告したとき怒られた
- 仕事が増えることが想定される
- 自分自身も忙しい
- 報告は評価されないルール
以上のように、「行動を弱化や消去する(繰り返さなくなる)」ような結果ばかりが出現していたことがわかります。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.107~p.111
【引用終わり】
行動した結果はどうなっているか。しっかり現状分析が必要だ。また、行動する前の先行条件はどうなっていたか明らかにするのである。そのことによって、行動の前後関係がわかり、行動は繰り返すのか、それとも繰り返さなくなるかを明確にすることができる。
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